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Q(MS-278) 再発予防薬再開にあたっての選択K   2018.10.14-15:50
46歳、女性、京都府在住。診断MS。突然のメールで失礼します。

初発、1995年8月。現在は障害なし。脳MRI病巣数は9個以上。
治療は、2000年12月〜2005年7月ベタフェロン使用。
妊娠出産を望んで、以降ベタフェロン使用を中断。
中断から今日までに再発は1回でした(2008年)。
結局、現在までに出産に至る事が出来なかったので、年齢を考慮してMS再発予防薬の使用再開を考えています。

質問:
ベタフェロンは使いやすかったのですが、再発していた事を考慮すると、他の薬に変えた方がよいのでしょうか?
しかし、何だかの再発予防は必須だとわかっている一方で、体感できる再発が10年間無かったので、薬の再開をやめる事も考えてしまいます。

現在は経過観察として年1回受診しています。
直近の受診で主治医に相談した時(2017年7月)に、飲み薬もあるとの話は聞いておりますが、副作用が心配です。今年は12月頃受診予定していますので、その前に齋田先生にご教授いただければとご相談させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

脳病巣数がかなり有ること、ベタフェロン使用中にも1度再発があったこと、年1度しか診察を受けていない、造影脳MRI頻度は不明であることを考えますと、楽観はできないと考えます。

脳に主に病巣が蓄積している方だと考えられ、視神経や脊髄に病巣が少なかったことが、これまで障害が現れてこなかった理由です。脳は視神経、脊髄よりはるかにボリュームが大きく可塑性、予備能力が大きいため、10年、20年は症状を隠しますが、水面下ではMRIでも見えない神経線維の切断がゆっくりと進行していることが最近の研究で示されています。年1回の通常MRIでは発見できません。障害蓄積が一定レベルを超えると、認知症など様々な精神症状、歩行のふらつき、動作のおそさ、バランス障害などが現れますが、その時点では治療は難しくなります。医師はそうした説明をする義務がありますが、多くの場合そうした認識を持っていません。

私は、私は40年近く同じMS患者さんを診てきました。症状を自覚しないため治療を嫌がった結果、認知症などが出て初めて長期治療開始に同意してくださったが、現在の治療では進行を止められなかった方を、何人も経験しています。
自分は大丈夫だろうと、賭け(ギャンブル)をするべきではないでしょう。大丈夫な方も少数はおられますが、長期に観察をしている医師は日本では稀です。

私は現時点ではベタフェロンのような自己注射薬使用は、ほとんどの方でお勧めしていません。欧米のエキスパートも同様です。もっと効果があり、長期に安全な薬の使用が可能ですので、貴女の状況を改めて精査して、最適の治療を選ぶべきです。年一度の診察では不十分です。

妊娠を希望されたからと治療中断を勧めたことも、間違った指導です。妊娠確定で中止すれば良い治療が複数あります。一部は妊娠中にも、必要なら利用可能です。妊娠希望なら体外受精は実施したのでしょうか?いまでも可能かもしれません。
必要なら、電話相談 090−2287−1021 でも相談を受けます。