Q&A

Q(MS-288) MSでは進行しない者は無いのか? 最近は診察、治療を受けていませんKT   2019.2.18-17:47
52歳 女性 埼玉県在住

最近MSの資料をみて、進行しないものはないいような記載がありましたが、そうなのでしょうか?特に強い症状がなくても診察を受けた方がよいでしょうか?
よろしくお願いいたします。

2010年に発症しました。身体の半分近くの皮膚感覚がなくなり、歩くことが難しくなりました。
MRI検査で、脱髄の病巣が7箇所あり(脳内3箇所と脊髄4箇所だったと記憶しています)、多発性硬化症と診断されました。
ステロイドの静脈注射を2週間、その後ステロイドの経口薬で2週間ほど治療を行った結果、ほぼ回復しました。
そのとき、詳しい検査名は忘れてしまいましたが、髄液を取る検査を行い(東北大に資料を送って検査と言われました)、進行の早いタイプではないと言われました。
その後2年間ほどは、半年に一度MRIの検査を行いましたが、脱髄の箇所に変化はなく、時々軽いしびれや皮膚感覚が少しおかしいことがありましたが、後遺症だと思われるということで、特に治療は行いませんでした。
発病3年目以降は、受診しておりません。症状は変わらず、疲れた時に、身体の一部がしびれたり、皮膚感覚が少しおかしくなったりはしますが、発病した時のような強い症状は全くなく、特に治療もしていません。

MSでは無治療で放置すると、大半の方は10年、20年の後に、歩行障害や記憶力の低下、認知症などの障害進行が持続するように変わります。

MSの大半の患者さん(94%)は初期に臨床的に比較的急速な悪化があり初発とされ、ほとんどの方はその後再発を1度以上経験しますが、初発だけあり再発を経験しないかたもあります。

もし無治療で放置すれば、発症から10〜15年後には50%、40年も経過すれば90%の方が、二次進行型へ移行し、ゆっくりと障害の増悪、進行がつづくようになります。1990年までの無治療の時代でのデータです。
この割合は近年次第に有効性の高い治療が増えてきて、急速に低下しつつあります。発病から5年以内の初期に有効性の高いナタリズマブ(タイサブリ)やフィンゴリモド(ジレニア、イムセラ)などでの治療を開始した人では非常に少なくなることが示されています。

貴方の場合、MSの診断が本当に正しのであれば、脳MRIを定期的に撮影するべきです。脳の病巣は、出ていても症状を出さないことが90%以上ですので、撮影しないとわかりません。
診断が正しいのなら、安全性が高い治療がありますので、治療を開始するべきです。