Q(MS-291) Iga血管炎を合併したが関連は? | Y. Y 2019.6.5-9:07 |
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Q | 41歳、女性、大阪府在住。
2009年に発症、MSと診断されました。 現在は、テクフィデラ服用。 抗アクアポリン4抗体、脊髄3椎体は、聞いてません。 現在、MRIで病巣なし。
5月14日に、IgA血管炎と診断されました。何か因果関係は、ありますか? 治療に関して、報告したほうが宜しいでしょうか?
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A | MSにIgA血管炎を合併することは非常に稀で、私のこれまでの1000人以上のMS患者さんの中ではありませんでした。海外での文献を検索してみましたが、そうした報告を見つけられませんでした。 またジメチルフマル酸(テクフィデラ)治療でIgA血管炎が発生した例があるかどうかですが、私の400名の経験ではありませんし、海外文献の検索でも見つけることはできませんでした。 従って、貴方の場合は偶然の合併ではないかと考えられます。
ただ、貴女の場合、10年のMSの経過があるが、MRIの病巣が現在は無いと記載しておられます。 かなり強力な治療がなされたなら、あり得ますが、自己注射薬やテクフィデラ治療では比較的稀な事です。 一方、MSに類似した視神経脊髄炎(NMO)では50%程度の方が、他の自己免疫疾患を合併します。 IgA血管炎も自己免疫疾患ですし、MRIに病巣が無いということもNMOではよくあることですので、貴女の病気が本当にMSか?、NMOでは無いことをもう一度確認した方が良いと感じます。
IgA血管炎は通常は一過性の病気であり、腎炎が出ない限り、治療なしで経過を見ることが多いようです。治療が必要なら一時的にステロイドを使いますが、MS治療に害になるということは有りません。
脳神経内科と内科の両方の先生がとうぜん知っている必要がありますが、特に急ぐ必要はありません。
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