Q(MS-297) 若年発症で認知症リスクは高くなるのか? (MS-296)質問に追加 | ドレミン 2019.8.16-17:09 |
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Q | 先日(MS-296)にて質問をした者です。ご回答ありがとうございます。 息子は2歳で発症し、今は11歳です。
最近の体調ですが、感染症に罹ってから睡眠量が増えました。また、これまで経験のなかった、しゃっくりを伴う嘔吐や吐気(1日〜2日)が2回ほど有りました。感染症を発症した辺りと、約3週間後です。 精神的にも、抑制力と記憶力が落ちたように思います。
彼が発症したとき、かかりつけ病院にMS通院患者がおらず、診断確定は別の病院を紹介されました。診断確定後は再び発症時の病院に通っています。 アボネックス開始も彼が初めてだったようで、やはり初回は前述の別病院に1泊入院し行いました。 他の薬に関しても、子供への投薬事例が少ない事や内臓系への副作用がある事などの他、余り情報がありません。
彼のように若年で発症した場合、高次脳機能障害や認知症のリスクも高くなるのでしょうか? 発症時はかなり症状が重く、右半身が麻痺しました。
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A | 大半のMS患者は、もし無治療であれば、発症後の時間経過が長くなるに従い重症化します。小児発症MSでは成人発症MSに比べて脳病巣の出現率が高いため、運動障害より認知障害がでる率が高いことが知られており、私の経験でもそうです。 脳の高次機能は予備的機能(brain reserve)が大きく、長期に障害蓄積を隠すことが可能であり、一定レベルを超え始めて自覚、他覚症状として現れてきます。予備能力は長い人生で何時かは、特に高齢化すれば必要なものです。
貴方の記載内容の症状、問題がMSによるものかどうか、診察無しでの判断は困難です。
現在世界では16種類、日本では6種類の薬が利用可能です。これらを上手に利用し、副作用を回避しつつ、病巣の蓄積をくい止めることが大切ですし、多くの方で可能です。長い人生を普通に生きられることを目指すべきです。早期の治療が大切です。私の約1000人のMS患者さんの中には小児発生の方もたくさんおられます。最初の受診時に無症状か軽症であった場合には、その後の長い間に進行した方はほとんどおられません。
関西在住とのことですので、現在の担当医にお願いして資料(出来るだけ多くの過去のMRIを含む)を用意して頂き、一度、京都か大阪の私(斎田)の外来を受診されては如何でしょうか。 このHPにも載っていますが、090-2287-1021斎田に、先にお電話をください。
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