Q(NMOsd-59) タクロリムス(プログラフ)、プレドニンの使い方。将来の治療について | まろちゃるる 2019.9.17-11:49 |
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Q | 36歳、女性、北海道在住。
今後、どのような治療をし、将来的にどのような服薬をしていけば良いのでしょうか?また免疫抑制剤は何ミリを継続していけばいいのでしょうか?
主治医はプレドニンを減らす事には賛成ですが、最終的にどこまで減らすかはにごされます。 NMO診断時から免疫抑制剤の服用も考えてくれていましたが、服用すると決めてはくれず、私のほうから今月から服用したいと申し出ました。 主治医からは個人差がある病気なのでと、今後の治療などをどうするかはっきりとした返答がもらえなく不安になります。 再発した時の事を慎重に考えてくれているのはとても感じます。 よろしくお願いします。
病歴: 2017年に痺れ、ごく軽度の歩行障害(年に1、2回) 2018年に痺れ、ごく軽度の歩行障害(年に1、2回) 2019年4月に痺れ、右足が上がらないのなどの症状が出たため受診し、診断・NMOが確定 抗アクアポリン4抗体は陽性 脊髄の病巣は一つだけであったが、先月のMRI検査でほぼわからないほどになっていた。脳MRIでの病巣は無し。 現在の症状: だるさ、疲れやすさなどはあるが、日常生活に問題はない 治療: プレドニンは4月から開始。15mgから1oずつ減らし現在12mg/1日 タクロリムスは今月から開始。現在2mg/1日
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A | これまで比較的軽症に推移してきており、最近にタクロリムスを開始しておられますので、 上手に使えば、再発の無い生活、副作用の無い生活を送れる可能性が高いと思われます。妊娠中でも利用可能です。 現在の利用法には、問題がある様です。
いわゆる免疫抑制剤には多数ありますが、私はタクロリムス(プログラフ)を最も頻繁に使います。効果が迅速で、有効率が高く、有効性と安全性の管理が容易であるからです。 私は、1990年ごろから、重症筋無力症と多発性硬化症に利用を開始しました。 会社(当時の藤沢薬品、現在のアステラス)の協力を得て筋無力症に全国的大規模治験を実施し、2000年には保険適応を得ることができました。 多発性硬化症では効果のある人とない人が混在し、全体として、明確な有効性を確認できず、一度、利用を中止しました。当時はNMOの存在は知られていませんでした。2005〜6年になり、効果があったのはNMOでMSではなかったことが判明し、改めて、利用と研究を再開しました。筋無力症を含めると、これまで500人以上で長期に利用してきました。 個人としては日本(世界でも)最大数の経験だと思います。
タクロリムス(プログラフ)の利点の一つは血中濃度を測り、効果、安全性を推定できることです。貴女はどうでしたでしょうか。2mgで開始した理由が分かりません。通常は3mgで開始する薬です。3mgでも不足であることが多いです。
服用して12時間後の血中濃度を5〜8ng(ナノグラム)になる様に調整します。服薬の時間、食事との関係、食事の内容に影響を受けますので、上手に服用する様に指導が必要です。 この目標血中濃度が達成できれば、ほぼ安心してプレドニンを次第に漸減し、90%の方では、1年以内に0に出来ます。腎機能の長期のチェックは必要です。 10%程度の方では、時に再発がありますが、重度再発は稀です。再発があれば、1〜2日以内にパルスを実施すれば、ほとんどの方で元に戻ります。 再発が反復する時は、他の治療に切り替えます。
稀な難治性の場合には他の点滴の治療薬があり、来年には保険で利用が可能となる予定ですが、そうした人の割合はかなり稀です。
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