| Q(MS-308) ナタリズマブの妊娠中の投薬及び投薬中の授乳中について | ピグ 2019.11.13-14:47 |
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| Q | 36歳、女性、愛知県在住のMS患者です。
2015年1月にMSの診断がおり、翌月2月より今日までタイサブリで治療を行なっています。
長い期間の不妊治療をへて今回、妊娠がわかり、現在24週になります。主治医には、30週まではタイサブリ治療を継続し、その後は中断、出産後1週間以内には治療を再開した方がよいと言われています。 今回、質問させていただきたいのは、授乳についてと、再発リスクについてです。
@タイサブリ投与中、授乳してもいいのか? タイサブリの添付文書には、授乳中の人は治療を中止、最終投与より12週間は期間をあけることが明記されていますが、主治医には母乳育児を勧められています。それは、赤ちゃんの胃の中で、タイサブリの原料となっているタンパク質は分解されるからだと説明を受けています。しかし、大人でも副作用が懸念されるタイサブリを、赤ちゃんに母乳を通して摂取させることに、私自身、とても躊躇しています。
A出産後1週間以内に治療を再開した方がいいのか? 分娩予定の病院と、MS治療をしている病院が違うため、1週間以内に治療を再開するのは出産方法(帝王切開など)によっては難しくなります。出産後、それ以上間隔をあけると再発リスクはどれほど高まるのでしょうか?
B妊娠中、出産後、再発をした場合、パルス治療は胎児、乳児(母乳育児の場合)に影響はないのか? 主治医には、軽い再発ならパルス治療はしないと言われましたが、胎児、乳児に悪影響があるからでしょうか? 是非、先生のご意見を伺いたく、質問させていただきました。よろしくお願い致します。
現在の症状:朝起きた時に手足の軽い痺れや、頻繁ではないが手足に疼痛など。 MRI病巣は大脳に5〜7個程度。頸椎及び胸椎に小さな薄く写る病巣が2個程度です。
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| A | 添付文書に記載されていることは、治験の経験しか無かった時期に、未知、未経験の状況で安全を確保するために書かれていることです。 妊娠中や出産直後にもタイサブリを投与継続せざるを得なかった例での経験が集積され、利用法が確立されています。
先ず、私の妊娠、出産前後の女性でのタイサブリ利用方法を説明します。 (1)平均的MS活動性かやや活動性の高い程度の女性であれば、妊娠確定と同時に点滴は中止します。妊娠中に再発を経験することはほとんどありません。出産後1週間は母乳を与え、点滴を再開し、人工ミルクに変えます。 (2)10人に一人程度の活動性の高い女性、妊娠初期に再発を経験するような女性では、妊娠8カ月までタイサブリ点滴を続け、出産1週間で再開します。 (3)非常に活動性が高く、妊娠中の再発反復が懸念される時には、全期間を通して投与を続けます。母乳は与えず、最初から人工ミルクを与えます。栄養的には問題ありません。新生児に一時的な軽度の血液の異常が出ますが、短期で正常化します。
以下に質問に答えます。 @タイサブリ投与中、授乳してもいいのか? タイサブリ投与中は授乳を止めます。 タイサブリは免疫グロブリンIgGですが、母乳から新生児体内に一部が取り込まれます。 初乳の中の母の免疫グロブリンが新生児に取り込まれることで、母の免疫を子供へ伝えることが可能であり、初乳を与えることの重要な理由でもあります。
A出産後1週間以内に治療を再開した方がいいのか? MS活動性の程度により異なります。 例外的にMS活動性が高い女性では出産直後から治療を再開したり、全期間を通してタイサブリ点滴を継続します。初乳も与えません。 しかし、ほとんどの女性では1週間は母乳を与えた後、タイサブリ点滴を再開します。
B妊娠中、出産後、再発をした場合、パルス治療は胎児、乳児(母乳育児の場合)に影響はないのか? パルス点滴を反復することは胎児の成長を抑制し、小さな赤ちゃんが生まれる、新生児の成長が少し遅れる可能性が高くなります。胎児の奇形の増加はあまり心配する必要はありません。 しかし、母に障害を残さないため、やむを得ない処置です。
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