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Q(MS/NMOsd-34) 新型コロナウィルスへの対策は? タクロリムス(プログラフ)服用中。タロ母   2020.3.18-22:50
55歳、女性、千葉県在住。お世話になります。

免疫抑制剤を使っている人は新型コロナウィルスに感染すると重篤化しやすい等と最近聞いて不安になっています。
プログラフを服用していますが、この場合、どのくらい危険なのでしょうか?
また、どのように、どのくらい気をつけるべきなのでしょうか?教えてください。よろしくお願いいたします。

2015年に発病し、左眼は部分的に全く見えないところがある。
2015年からプログラフ3mg (+グレープフルーツジュース30cc)服用。他、エディロール0.75μg/日 服用で普通に生活できております。

タクロリムス(プログラフ)を利用していると、新型コロナウイルス感染にどのくらい罹り易くなるか、重症化し易いのかについて、明確な答えは、現時点ではありません。
「基礎疾患」のある方はリスクが高くなるとも言われていますが、全ての疾患ではありません。MSやNMOのみがある方であれば、疾患そのものでリスクが高くなることはありません。ただ、NMOの方の一部では他の自己免疫疾患を合併していることがあり個別の評価が必要です。

新型コロナウイルス感染症の世界的増加で不安な毎日をお送りのことと思います。私も含め、全ての人が十分な注意をするべきだと考え、用心した行動をしています。感染保菌者の半数以上が無症状であり、すでに日本でも広がりつつあり、今後、爆発的に感染が広がる可能性があります。
新型コロナウイルス感染者数と死亡者数には国により発表数に大きな差があり、死亡者数の多い国の報告は不正確と推定されます。感染者数は症状の無い方での検査数に大きく依存し、日本での検査は不足しています。ドイツでは感染者が2万人に死亡が68人、300人に1人の死亡であるのに対し、日本は993人に死亡が33人、30人に1人で10倍の差があり、説明が困難です。いずれでも死亡はおそらくあまり間違いが無いので、ドイツがより正確に把握しており、日本では実際は軽症者、無症状者が多く、検査を受けずに潜在化していると言えます。重要なことは多数の重症者が同時に出るとイタリアのように対応不能となり、死亡が多数となります。一人一人の感染防御の行動が重要です。

洗剤を用いた手洗いの反復励行、アルコールやサニタイザーなどで手等を消毒する、外出先や交通機関ではできるだけ物に手を触れない、同居家族以外と会話する時には1m以上離れマスク着用する、発熱者、咳をする方を避ける、ドアの取っ手やテーブルなどを中性除菌洗剤で拭くなどを励行するべきです。マスクは洗剤で洗濯して再利用が可能です。
 
「免疫抑制剤」を利用している方は一般論として感染症に罹りやすく、重症化し易い可能性があると言えます。ただ「免疫抑制剤」にも各種あり、感染症防御に関する免疫を抑制する程度にも色々あり、「免疫抑制剤」に分類するべきかどうかが微妙な薬剤もあります。

貴方の利用しているタクロリムス(プログラフ)では感染症一般が増加するという明確な証拠はありませんが、一部の感染症が増加している、重症化が疑われる報告があり、未だ経験はありませんが新型コロナウイルスによるリスク増加の可能性は否定できません。
しかし、私は約300人以上の視神経脊髄炎NMO患者さんにタクロリムスを飲んで頂いております。ほとんどの方ではプレドニンの服用を中止しています。そうした方では、これまでは一部の方に感染症を経験しますが、一般の方より特に感染症が増えているという経験はこれまではありません。

一方、プレドニンを5mg以上服用している方では種々の感染症が増える、重症化しやすいという明確なデータがあります。アザチオプリン(イムラン)、シクロフォスファミド(エンドキサン)などでは感染の増加が生じるデータがあります。

多発性硬化症に利用される薬剤ではフィンゴリモド(ジレニア)、ジメチルフマレート(テクフィデラ)では感染し易かったり、重症化し易いと断定はできませんが、可能性を否定できません。インターフェロン、コパキソン、ナタリズマブ (タイサブリ)ではそうした可能性は考えられません。いずれにしても、上記のような自己防衛の注意をお願いします。