| Q(MS-367) MS疑い 多発性硬化症疑い時のフィンゴリモド(ジレニア、イムセラ)とステロイドパルス同時治療開始は正しいか? | ごりちゃん 2020.4.9-12:26 |
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| Q | 47歳、男性、神奈川県在住です。
診断が、当初はMS疑い、次いで視神経脊髄炎疑い、現在はMSを強く疑うと変化しました。 脊髄MRIに2.7椎体長の長さの病巣あり。脳MRIにも影あり。病巣は2個ほどで、最近少し別の所にも影あり。 眼科での検査でも異常なしでした。ウートフ現象なし、しゃっくりなどもなし。 抗アクアポリン4抗体はELISA, CBA共に陰性。抗MOG抗体陰性。
【お伺いしたいこと】 今後の治療: プレドニンは20mgまで引き続き減らしながら服用している。 来週再入院してイムセラ投与、ステロイドパルスを行う予定です。 ステロイドパルス点滴とフィンゴリモド(ジレニア、イムセラ)の同時治療は、 免疫抑制が強く、また「限りなくMSであるが確定でない」場合にも投与開始をしても良いのでしょうか。 視神経脊髄炎でも抗アクアポリンが陰性となる事もこちらで知りました。 今、コロナウィルスの事もありこの治療で良いのか不安があります。 どうぞ宜しくお願い致します。
【病歴】 2019年 10月から両足裏痺れあり 12月歩行障害発症 ステロイドパルス治療 2クール 歩行が可能となり退院、プレドニン服薬開始 以前のバイク事故右肩脱臼。当時の主治医の判断で手術はしておらず パルスから脱臼した所が痛みだし今も治まらず。 リリカ、テグレトール、トラムセットなどの対処療法薬は効果なく、倦怠感がひどく現在は中止。痛みにはノイロトロピンを処方。 2020年 2月、再度右足の痙縮で歩行困難(車いす)、右手指痺れ発症 ステロイドパルス 1クール後、血漿交換療法6回 車椅子→杖歩行可能で退院 4月、 現在、右手右足麻痺、首に触れるだけで痛みあり、排尿・排泄困難。 歩行は杖と家人が支えて何とか進める状態。自立歩行は不可。
検査所見: 脊髄MRIに2.7椎体の長さの病巣あり。 脳MRIにも影あり。病巣は2個ほどで、最近少し別の所にも影あり。 抗アクアポリン4抗体はELISA, CBA共に陰性 抗MOG抗体陰性 悪性リンパ腫等の疑いも陰性。
診断の推移: (1)当初はMS的判断、しかし→ (2)脊髄病巣が2.7椎体長と長い事もありNMO的疑いに切り替え、血漿交換するも効果はほぼなく。(蛋白の炎症は抑えられたそうです。) 主治医の先生としてはNMOの疑いが否めないまま、髄液やMRIの検査を続けていましたがアクアポリン4は陰性のままである事 (3)また今回、放射線科の先生が変わり、共に画像を改めて診断した所、MS的所見が高度と判断。
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| A | (1)診断がMSで間違い無い場合 フィンゴリモド(ジレニア、イムセラ)を開始するのは少しでも早い方が良いでしょう。 一方、ステロイドパルス点滴を実施するのは、最近、通常は1月以内に新病巣がでて増悪があった場合ですが、1、2クールのパルスを追加することは、それほど危険なことではありません。 MSの長期再発防止治療とパルスを同時に開始することは、最近の再発があった場合には、私は実施しており、問題があった経験は一度もありません。ただ、MSでは経口ステロイドは開始から1月程度で中止します。NMOでは長期に服用することもあります。
(2)MSではなく抗アクアポリン4抗体陰性NMOsdである場合 フィンゴリモドは無効で、むしろ増悪させる可能性があります。 治療方針の決定には、正確な診断が前提です。診断に重要なポイントを良く整理して記載しておられます。抗アクアポリン4抗体と抗MOG抗体が共に陰性です。次いで診断に重要なポイントは脊髄MRI所見です。MSで2椎体以上の長さの病巣が急性に出現することは稀です。特に横断像(axial view)で、主に中心部に局在する病巣が2.5椎体以上連続している病巣が急性に出現した例は、私の1000人以上のMSの中に存在しません。 脳MRIでの区別は絶対的なものではありませんが、ステロイドを大量に利用している時に脳に新病巣が出現することはNMOでは経験しません。
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