| Q(MS-368) 多発性硬化症の海外での治療に関して | A 2020.5.7-12:06 |
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| Q | 主人が多発性硬化症の疑いがあると診断されています。主人は28歳男性、タイ・バンコク在住です。
1週間前頃から脚の痺れを感じ、昨日バンコク市内の日系病院にてMSでほぼ間違いないと診断されました。MRIでは、脊髄に1か所のみ病巣が見つかっており、脳MRIも行いましたがこちらは異常なしと診断されています。抗アクアポリン4抗体は不明。 現在は病院にてステロイドの点滴を受けており、明日退院予定です。 MS再発進行防止薬の使用不使用は不明。 医師からは早期発見早期治療のため、再発の可能性も低いだろうと言われています。
自分なりにMSに関して調べてみたところ、日本人には珍しい病気であり、そのため治療薬も認可されているものが少ないという記事を読みました。 しかし、どれもインターネット上の情報なので信ぴょう性に欠けると思ったため、今回こちらにお問い合わせさせていただきます。
質問: 上記の情報が正しい場合、このままタイ・バンコクで治療を受けていたほうが日本よりも幅広い治療方法・治療薬の使用が可能なのでしょうか? バンコクで仕事をしているため、できればこのままバンコクで治療を受けたいのですが、体が第一なので日本のほうが治療に適しているのであれば日本への帰国も考えたほうがいいのではと悩んでいます。 また、もしタイにてMS専門の病院、MSに特化した病院をご存じでしたら教えて頂けると幸いです。 よろしくお願いいたします。
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| A | 日本とタイでの治療薬選択肢の多さの比較は?: 現在のタイで利用可能な薬剤の数を知りません。形式的には日本とほぼ同様か、やや多いだろうと推測します。しかし、日本のように難病制度により医療費が大きく減免される制度は無いか不十分なのではないでしょうか。 多発性硬化症患者数は日本がはるかに多く、治療を受けている患者数、医師の治療経験も日本がはるかに多いです。私は一人で約1000人を治療していますが、タイ国内で長期治療を受けている患者の総数はそれよりかなり少ないと思います。
診断の正確さについて: もし多発性硬化症であるとするとclinically isolated syndrome (CIS)、即ち初発で再発がまだ無い時期ということになります。この時期に正確に診断を確定するには、専門的知識と経験が必要です。通常は2回目の再発があって初めて診断がほぼ確定となります。CISであれば、どのような根拠で、多発性硬化症である可能性、確率がどの程度か、が問題となります。
現在の治療について: ステロイドの点滴は再発進行防止の治療ではありません。本格的治療が開始されたのか、されているなら何が採用されているのかが不明です。 もし多発性硬化症の初発であると確定できるなら、早急に有効性の高い再発進行防止治療を開始するべきです。現在の担当医は脳神経内科Neurologyの専門医だろうと推測しますが、どの治療薬を選択している、あるいは選択を勧めておられるのでしょうか? 早期発見しても治療の選択によっては、再発を抑制できるとは限りません。 また、現在のタイにおける保険で、選択可能な薬は何と何なのでしょうか? それにより、方針が大きく影響されます。
日本の健康保険利用が可能でしょうか?: 日本に住民票がなければ健康保険利用や難病申請ができませんので、高価な多発性硬化症治療薬を長期に利用することは難しいでしょう。日本での診断確定、相談のみなら、それほど高価ではないでしょう。 私の東南アジア在住の患者さんは、住民票を日本に残したり、移したりして、年に2回程度帰国して日本の治療を受けておられ方が多いです。
タイの専門病院は?: バンコックには専門病院は有りませんが、多発性硬化症学会に所属し、かなり専門的に診療しておられる医師がおられます。必要なら本人から私へ電話する(81-90-2287-1021)か、このHPへメールしてください。
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