| Q(MS-369) 妊娠中の再発、治療について | 津波古 2020.5.11-10:20 |
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| Q | 33歳、女性、沖縄在住。妊娠3月で現在はナタリズマブ (タイサブリ)治療を中断中。
今回お聞きしたいのは、妊娠中の再発の可能性や治療法、薬の影響についてです。 (1)主治医には、妊娠中万一再発した場合や症状があった際は直ぐにステロイドパルスを使用するとの事でしたが、お腹の中の子供には影響はないのでしょうか?(現在妊娠3ヶ月初期のため)
(2)また、妊娠中は再発リスク等が下がるとありましたが、妊娠中再発する方の割合はどのぐらいなのでしょうか。また妊娠中はどのような治療を行うのでしょうか。
(3)力が入らず崩れ落ちるように転んでしまい、すぐに症状が治った際は再発では無いと考えても大丈夫でしょうか。2020.3月27日以降タイサブリはしていませんが薬は効いていないのでしょうか?以前は5、6週間隔でタイサブリ治療を行っていました。
病歴: 2017年MS発症。 タイサブリ治療(2017.12月〜2020.3月27日)後、妊娠3月で中止中。 3年半再発なし。MRIで典型的な病巣が8個以上あるとのこと。
先日、以前にもあった左半身の怠重い感じが出現しました。 そして、今朝起床の際立とうとした時に左半身にまったく力が入らず崩れ落ちるように転んでしまいました。 すぐに立とうと試みましたが2、3分ほど力のない症状が続き、今はだるい症状のみあり。力が入るようになり歩けるようになっています。(怠重たい感じは継続中)
治療記録 2017.7月MS確定。 同年12月までコパキソン治療を続けていたが3度以上の再発があったため同年12月にタイサブリ治療を始めた。 症状→左手の痺れ、左足全体の痺れ、感覚異常、首の痛み、ピリピリ感、力が入らない、右目が見えにくい、などです。
宜しくお願い致します。
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| A | (1)妊娠中のステロイド・パルス点滴の胎児への影響:
量、期間、時期にもよりますが、奇形が増えるとのデータはありません。しかし、量が多ければ若干の胎児の成長の遅れ、体重の低下が生じます。しかし、やや小さく生まれても生後の成長で取り戻せる程度ですので、過度な心配は不要です。
(2)妊娠中の再発の頻度と治療:
「妊娠前の長期での多発性硬化症の活動性が平均的、あるいはそれ以下の方」 ほとんどの方では妊娠が判明すれば直ちに治療を中止し無治療で経過を見ます。妊娠中の再発は自身の経験を整理、計算できていませんが、ほとんどありません。
「妊娠前の長期での活動性が特に高い方」 こうした方は10人に1人程度存在しますが、無治療では2、3人に1人で、主に妊娠の前半に、再発を経験します。 私は活動性が特に高いと判断するとタイサブリ治療を妊娠中も継続します。 その場合も、ほとんどの方では出産8週前にはタイサブリを中断しますが、稀に中断なく出産後まで継続します。こうした方法では再発を経験したことはありません。 グラチラマー酢酸(コパキソン)も妊娠中に利用することが可能です。効果が低いので私は利用しません。
(3)多発性硬化症の再発の自己判定法: このホームページのトップページの contents欄にある「症状と再発の自己判定法」をお読みください。多発性硬化症の再発症状は24時間以上、通常は数日は持続します。貴女の症状は再発症状ではありませんが、記載の内容だけでは何であったのか判定はできません。 タイサブリの効果は最後の点滴から8週間程度で無くなります。しかし、妊娠中、特に後半には、胎盤から出る物質が治療効果があり再発が減少すると考えられています。
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