Q&A

Q(NMOsd-63) 視神経炎からの回復についてじゃこ   2020.5.14-6:25
36歳、女性、東京都在住。出産後5カ月のNMOSD患者。
前回(NMOsd-60) 服薬中の授乳について、でご回答頂いたものです。先日はご回答ありがとうございました。

また、こちらでご回答いただいたことを生かせず後悔に苛まれております。
出産後先生のご指摘のとおりプレドニン10rでは再発率上昇には不足だったようで、右目疼痛を自覚しMRIにて右視神経炎と診断されました。視神経炎は初めてです。

経過:
4月30日、 右目疼痛と霧視を自覚
霧視は全く見えないというわけではないが、右目だけでは文字が読めない状態。
5月1日、 眼科受診、矯正視力は1、0で落ちていないが検査で視神経が不明瞭、対光反射が弱いと、ステロイドパルス2日間実施。(2日間になったのは通院先の大学病院でゴールデンウィークとコロナの影響でERに近付けさせたくない、との理由で残り1日のパルスはできませんでした。)
5月2日、 脳MRI撮影
5月9日、 右目視神経炎と診断確定、入院、ステロイドパルス3日間実施。
疼痛は多少引くも霧視改善せず。
5月13日 より免疫グロブリンにて治療開始。

お伺いしたいことは、
(1) 現在の霧視は炎症が落ち着けば今後ゆっくりでも改善していく見込みはあるのでしょうか。それとも後遺症として残存してしまうのでしょうか。
文面だけでは症状がどの程度かお伝えすることが出来ずもどかしいですが、抗アクアポリン4抗体陽性の視神経炎は予後不良と聞き不安を感じております。
(2) 血漿交換ではなく免疫グロブリンでの治療で血漿交換と同じ効果が見込めるのでしょうか。
免疫グロブリン治療になったのは、昨年ステロイドパルスの効果が不良の場合免疫グロブリン投与が保険適用になったからやってみましょうと言われました。
(3) 出産後再発率が上がると知っていましたが、何ヵ月たてば免疫状態は出産前と同じに戻るのでしょうか。
出産前は7年間再発はありませんでした。
また生理が戻ったのと再発が同時だったのですが、何か関係はありますでしょうか。

今は幸運にも右目だけですが、今後の治療方針で左目にも発症する可能性もあると思います。それだけは何としても避けたいです。
落ち着いたら先生の治療を受けに行きたいと考えております。何卒お助けください。よろしくお願いいたします。

病歴:
2011年、初発。
現在の症状: 感覚過敏、両足運動障害による杖歩行
抗アクアポリン4抗体陽性、脊髄に3椎体以上の長さの病変出現あり。

出産を無事済まされ、お子様に恵まれたとのこと、御目出度う御座います。お母様の健康の維持が益々大切になり、ご心配のことと存じます。ご回復を祈ります。さて、

(1)現在の霧視は改善していく見込みはあるのでしょうか?  抗アクアポリン4抗体陽性の視神経炎は予後不良と聞き不安を感じております。
 この数週で少しでも改善傾向があるなら、一定の改善を期待できますが、明確な返答は不可能です。個人差や、同じ個人でも時により改善の度合い、速度は一定ではありません。
 平均的には多発性硬化症での視神経炎からの回復に比べて回復が悪いことが多いのは事実です。

(2) 血漿交換ではなく免疫グロブリンでの治療で血漿交換と同じ効果が見込めるのでしょうか?
 血漿交換と同様な効果が見込めるかどうか比較した研究が無いので明確な答えは有りません。しかし、私の経験では、適切な方法で実施すれば血漿交換の方が効果が高いと感じています。ただ、血漿交換では方法、交換量など、技術に依存する面が大きいのですが、免疫グロブリン点滴は簡単で、一様に実施できる利点があります。
 もっと重要なことは、迅速な診断と迅速な治療の開始です。パルス点滴は、回復が悪ければ、5日連続など、計12日まで、早期に実施します。その途中から、血漿交換(あるいは免疫グロブリン点滴)などを、できるだけ早期に開始します。必要なら並行して実施するべきです。

(3) 出産後再発率が上がると知っていましたが、何ヵ月たてば免疫状態は出産前と同じに戻るのでしょうか? 出産前は7年間再発はありませんでした。また生理が戻ったのと再発が同時だったのですが、何か関係はありますでしょうか?
 出産後の再発率亢進について多発性硬化症での研究は多いのですが、視神経脊髄炎での研究は少ないです。しかし、出産直後から6月間は危険性が高いと考えられます。ただ、どのような治療をしているかで大きく異なりますし、私の視神経脊髄炎の患者さんでは妊娠中、出産後を含めてしっかりとした実施していますので、この10年程、妊娠中も、出産後も、再発が有った患者さんを経験していません。
 生理が戻ること、授乳をすることなどと再発リスクが関連する可能性はありますが、お答えできるような研究はまだ無いと思います。しかし、そうしたこととは直接の関係なしに、出産終了後にはリスクが高まり、一定期間持続するように思います。