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診断と治療のポイント

2016/6/15更新

正確な診断、その中での詳細な病型・活動性評価にもとづき、 正しい治療を受け、普通の生活の維持、生き甲斐と誇りのある人生を目指しましょう

日本最大、1100人のMS/NMOsd/MOG抗体疾患患者さんを関西多発性硬化症センターで治療しています。 (2016年)
正確な病型診断に基づいて、一人一人に最も適した正しい治療を、安全に細心の注意を払いながら受けられます。

多発性硬化症(MS)/視神経脊髄(NMOsd)/MOG抗体疾患の正確な区別の重要性
 3疾患は似ていますが別の病気です。

2005年と2014年から明確な区別が可能となり、治療が大きく異なり、区別しなければ悪化を防げないことがはっきりしてきました。 しかし、現在でも、これらの区別の遅れや治療法の間違いが多いのが現実です

このホームページでは「MS」,「NMOsd」,「MOG抗体疾患」,「区別が出来ていない」の4種に分類して説明をします。ご自分の診断状況や関心に応じてお読みください。

症状進行が無いから安全だと信じないで早期治療を開始しましょう

多発性硬化症は自分では安定していると思っている時にも、脳や脊髄のなかで活動が進行し、顕微鏡レベルの病巣の蓄積が進行する病気です。MRIでも一見正常に見える組織のなかにも、そうした症状を出さない傷が蓄積し、神経細胞や神経繊維の数が減少します。神経組織にはゆとりや予備能力があり、こうした傷の影響は一定の量に達して初めて症状として現れ、認知症や運動障害がゆっくりと進行するようになります。

その時期が始まるまでに個人差はありますが、放置すれば、ほとんどのMS患者さんにそうした時期が来ることが、長年の私の経験です。有効性の低い治療で速度の低下は得られても、やがて多くの方にそうした時期が来ます。このことは欧米の専門医のあいだではすでに常識ですが、日本では「専門医」と言われる先生方でも、経験不足あるいは長く同じ患者さんを診ていないからか、そうした認識にもとづいた治療がされていないことが多いのが現実です。

残念ながら、固定化してしまった(一般には1年以上前から続いている)障害(麻痺、視力低下など)を元に戻す治療は、未だありません。今後の再生医療の進歩に期待するしかありませんが、利用可能となるまでに15年〜30年はかかると予測されます。それまでは症状に応じ、症状を軽くする「対症療法」を上手に利用するしかありません。 そうした、症状や障害が出ないように、早期の予防的治療が最も重要であり、正確な知識と熱意をもった医師との出会いが大切です。

NMOsdでは水面下の障害蓄積はあまりありませんが、再発があると後遺症を残し易く、安全な再発予防治療の継続が重要です。

早期治療開始の重要性

現在の全てのMS・NMOsd治療薬は、早期に利用するほど高い効果を発揮します。この効果を期待できる時期を” Windows of therapeutic opportunity” (治療機会の窓=高い治療効果を期待できる時期)と呼びます。早い時期に、正確で強力な治療を安全に利用することで、将来の障害発生や障害の固定化を防げるのです。 早期の治療が重要である理由は、MSやNMOsdでは、一般に早期ほど炎症と免疫異常が強い事実と、現在ある全ての治療法は炎症と免疫異常を正常化する治療法だからです。炎症があり、再発やMRIで造影病巣が出現し、炎症が確認できる時期に、高い効果を発揮するからです。障害が進んでしまってからでは、すでに炎症は盛んではなくなっており、効果は低くなります。

早期に正しい治療を開始することで、ほとんどの患者様で、安全に再発や障害の固定化を防止することが可能となっています

生涯にわたり、普通の職業・家庭生活を送り、生き甲斐と誇りのある人生を楽しめることを目指しましょう。 「不十分な治療、遅すぎる治療、古い治療、間違った治療」が多いなか、悩んでおられる方は、遠慮なくご相談ください。

MS

  • 治療無しや不十分な治療では、50%の方が15年後には杖1本での歩行、25年後には車いす生活となり、やがて認知症、視力障害、全身の麻痺を来します。
  • 多発性硬化症は放置すれば潜在的に活動し持続的に進行する病気です。初期には病巣の蓄積が進行していることを、自分や家族ではほとんど自覚出来ない疾患です。
  • 「再発や症状の変化が無いから安定していて大丈夫」、「MRIで正常に見えるから、あるいは病巣が増えていないから、活動は無い」、とする判断や説明は間違いです。 「正常」に見える場所でも、顕微鏡で見ると炎症細胞があり、神経線維の切断が徐々に増加しています。そのため予備能力が次第に低下し、いずれ回復しない障害が現れますが、その時には治療しても反応が悪くなっています。
  • 2年先に治療を開始した人達にくらべ、治療開始が2年遅れた人達は、その後の21年間に、重度障害による死亡が2倍多かったことが報告され、早期治療開始の重要性が証明されています。(北米インターフェロンβ1b治験の追跡研究の結果)
  • 経口治療薬フィンゴリモド(ジレニア、イムセラ): 関西多発性硬化症センターでは、これまでに約540人が使用し、ほとんどの人が効果の高い治療を安全に受けておられます。 関西多発性硬化症センターで最初にフィンゴリモド治験に参加し、治療を継続した35人のうち、ほとんどの方は、すでに6〜8年間治療を続け、安全に通常生活を送っておられ、 障害度(EDSS)が進行した人はほとんど無く、平均値が約1/2となっています。また後遺症が残るような重大な副作用は全く発生していません。
    正しいフィンゴリモド専門指導が大切であり、外来のみで(入院することなく)、全員が安全に治療開始し、ほとんどの人が長期に服薬を継続できています。
  • ナタリズマブ(タイサブリ): 最も効果の高いナタリズマブ(タイサブリ)治療を、これまでに関西多発性硬化症センターで170人方が受けています。5年前に始まった治験に関西多発性硬化症センターから50人の患者さんが参加され(全国で110人)、現在も多数の方が治療を継続しておられます。ほとんどの方が全く再発を経験せず、障害の進行もなく、非常に有効性の高いMS治療薬です。専門的な指導と診療手順により、効果の高い治療を安全に続けることが出来ます。
  • 古い治療薬であるインターフェロン(アボネックス、ベタフェロン)も多数の方が副作用なく長期間利用しておられます。外来での自己注射指導のみで使用を開始し、開始時の問題は全く生じていません。
  • 未だ国内で承認されていない新薬治験に参加が可能です。自分の病状に応じた、効果や安全性の高い新治験薬を利用することも、選択肢の一つです。

                        多発性硬化症(MS)の詳しい説明はこちら⇒多発性硬化症とは

NMOsd

  • 視神経脊髄炎(NMOsd)の約300人以上に独自の経口薬を長期間使用し、再発のある方は非常に少なく、副作用もなく、すばらしい成績です。
  • プレドニンを使用しない経口薬での治療で、軽度の再発がある患者さんが少数おられますが、非常に安全な第二の経口薬に切り替えることで安全に再発を防止できます。
  • 副腎皮質ホルモン(プレドニン、メドロールなど)による長期治療は副作用(糖尿病、肥満、動脈硬化、高脂血症、心筋梗塞、脳梗塞、骨粗鬆症、脊椎圧迫骨折、大腿骨頭壊死、緑内障、白内障、皮膚疾患、副腎機能の廃絶、感染疾患リスク、他)リスクが避けられません。効果も安全性もより高い免疫抑制剤の利用が正しい選択です。
  • 既存薬より効果も安全性も高いと言われている視神経脊髄炎治療の新薬治験も希望により受けられます。

                        視神経脊髄炎(NMO)の詳しい説明はこちら⇒視神経脊髄炎とは

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