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医療講座

妊娠ホルモン(女性ホルモンの一つエストリオール)は多発性硬化症女性の再発回数を減らす

     斎田 恭子  神経内科医師


(2014年4月アメリカ神経学会で、ヴォスクール医師らが発表)

MSの再発回数は妊娠第3期に入ると減ることが分かっている。エストリオールは妊娠した胎児の胎盤からでてくる自然の女性ホルモンで、3種類のエストロジェンの一つである。

このエストリオールを酢酸グラティラメール(日本では発売されていない薬、コパキソン)と一緒に飲んで、ホルモンを飲まないグループと比較した。
80人の多施設二重盲検試験で、治験に参加したMS患者は発病3年以内で、500m以上歩ける18〜50歳の女性であった。

エストリオールをコパキソンと併用して飲んだグループの患者は、コパキソンだけで、エストリオールを飲まなかった患者にくらべて、1年間の再発回数が47%減少し、認知機能も改善した。しかし、3年目以降になるとコパキソンの効果もでてきたのか、再発回数の差は32%に減少した。

EAEというMSの動物実験モデルでは、エストリオールは抗炎症作用と神経保護作用があるとされる。男性ホルモンのテストステロンは脳内でエストロゲンに変換されることが知られている。最近、男性MS患者にもエストリールが有益である可能性を考えて、テストステロンにも神経保護作用がないかを研究中である。



(斎田恭子のコメント)

生理のある女性は、自然に周期的にかなりの量のエストロゲンをだしている。治験に参加したMS患者が、ホルモン的にどうだったのかは書いていないので分からない。エストリオールは日本では骨粗鬆症の薬として発売されている。エストロゲンは単独で認知機能を改善するという報告としないという報告がある。女性ホルモンは血栓症などを惹き起こすこともあるので、肥満やコレステロール、中性脂肪の多い人は副作用に注意が必要と思われる。コパキソンは、この治験では、アメリカでよく使われている疾患修飾薬で、インターフェロンβなどと効果はほぼ同等である。











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