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2016/12/5更新
A: 先ず、急性に出現する3椎体以上にまたがる長い脊髄病巣が、MSに出現することは絶対にありません。
私の約1000例のMS・NMOの経験でそうであるのみでなく、欧米のMSのMRI研究と臨床で最も権威ある5名ほどの神経放射線専門医の共通の経験であり見解であることを、
私自身が直接に質問し確認しました。
そうした脊髄病巣はNMOの最大の特徴ではありますが、NMOだけに出るわけでは無く、稀に一度だけ出る疾患はNMO以外にも色々あります。
しかし、そうした病巣が出て、かつ臨床症状に明確な再発増悪があり脳にも病巣があるならNMOだと言えます。
ただ、MRIでの長い脊髄病巣の画像判定には時に間違いがあります。専門でない医師の判定には間違いが少なくありません。
NMOの70〜80%では抗アクアポリン4抗体が陽性ですが、陰性のNMOも20〜30%あります。
2度、3度測定すると陰性が陽性となることもあります。また、測定した施設、方法により陽性率、信頼性にかなりの差があります。
抗体陰性のNMOの診断にはMRI脊髄病巣の判定が決定的に重要です。
MRIで脳に病巣があることはMSでもNMOにもあるので、有る無しは区別の基準にはなりません。
各々に非常に特徴ある所見があり、それだけで診断がつくことも有ります。しかし、特に初期には、区別できないことも少なくありません。
また、「眼症状がでていないからNMOではなくMSを考える」というのは間違いです。
NMOでも眼症状が出ない、あるいはかなり遅れて出ることはしばしばあります。
現在のステロイド治療はNMOにのみ有効な治療で、MSにも有効な治療ではありません。
ただNMOの治療であれば、ステロイドのみの治療は副作用が多いことから勧められないことは、このHPに記載してあるとおりです。
双方に有効な治療は今のところ無く、MS、NMOの正確な区別は治療にあたって絶対的に必要なことです。
貴方のご質問は、MS・NMO診断で最も間違いが生じ易く、かつ重要な問題です。(2015/3/27現在)
A: 脳の症状やMRI病巣があっても、NMOを否定できません。 MRIのみでMSと診断するには撮影条件選択と読影の熟練が必要です。 また、髄液検査も重要ですが、専門的な知識、適切な検査センターの選択が必要です。早めにMSの本当の専門医の診察を受けることが大切だと思います。
我々は、一度の外来か一泊入院による鑑別診断の上で長期治療方針を決め、担当の先生に報告します。 特定疾患の手続きもいたします。その後は担当の先生との電話、メールなどでの相談を受付けており、一般医の先生でも、ほとんどの場合、こうした連携で管理は可能です。
西日本の方であれば、ご利用くださればと思います。
鑑別ができれば、早期に再発防止の長期的治療を開始し、今後の再発、障害進行を防止することが重要です。漠然と経口ステロイドを長期に投与するのは間違いです。
A: MS(又はNMO)の診断にMRIは必須ではありません。MRIの無い時代でも診断していました。
症状の推移、経過が重要で、それのみで診断可能なこともあります。しかし、脳脊髄液検査も一度はするべきで、1泊入院で十分です。急ぐべきです。
帰宅への移動時に安静をとれるなら、外来での実施も可能です。
A: 病歴からは視神経脊髄炎スペクトラム疾患(NMOSD)が疑われます。本ホームページをご覧ください。 年に1度でも受診しておられるのなら、改めて担当医にお願いし、初発時から現時点までの神経学所見、検査データ、MRIデータのまとめと診断について、詳細な情報を頂きたいとお願いするべきです。 最近の医学の進歩は目覚ましいので、診断を確定する努力は捨てるべきではないと思います。 NMOSDなら今後も悪化がある可能性がある一方、安全な予防治療も可能です。知的機能がかなり保たれているのであれば、あきらめるべきではないと考えます。 励ましてあげてください。目が悪いのなら、新しい情報を貴方が読んであげてはいかがでしょうか。(2015/7/6現在)
A: 脊髄(胸髄や頚髄)に非常に長い病巣がある、あるいは過去に見られたとのことですが、そうしたMRI所見があれば、 例え抗アクアポリン4抗体が陰性であっても、抗アクアポリン4抗体陰性NMOSDと診断するべき結果です。
稀に慢性進行型MSで類似所見がみられることがありますが、出現の仕方、時間的な経過や横断面MRIでの所見の違いで、区別可能です。画像判定に経験と知識が必要です。
時に再発、増悪を反復して階段状に障害が悪化してきたのか、常にゆっくりと障害が悪化し続けてきたのか、何れでしょうか?
現在のプレドニン服用治療はNMOSDには有効ですが、MSには有効ではありません。治療方針に迷い、あるいは混乱があると考えられます。
NMOSDともMSとつかない中間的病型があるとの主張も一部でありますが、間違いだと思います。 診断が初期に難しい例、臨床像が重なり区別し難い例は稀に存在はしますが、両者を区別して、治療するべきです。(2015/8/20現在)
A: 前回にも記載しました疾患やその他の疾患のうち、何を最も疑うか、2番目の可能性は何か、などの可能性の度合いにより、追跡方法、頻度は一律ではありません。集められたデータで判断します。
新しい脊髄の再発を疑う症状や検査所見の出現や麻痺の進行などがない限り、脊髄MRIを反復する意味はありません。前回の撮影が不十分でないことが前提ですが。
脳病巣は新規に出現していても症状を表さないことが多いため、変化が無くてもMRIを一定期間を置いて反復することが必要なことはあります。(2016/2/15現在)
A: ご心配のこととお察しいたします。
担当の先生の診断、多相性急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(またはMDEM)は、書面からは正しいと思われます。MRI画像を見ていませんが、画像でMSではなく、ADEMの特徴があったのだろうと推測します。
一時目が見えなくなったということは両眼の障害が同時にあったのではないでしょうか?
そうであるならば、ADEMまたはNMOの疑いが濃くなります。
こうしたNMO的症状がでたが抗アクアポリン4抗体陰性の場合に、抗MOG抗体陽性の方が発見されます。
最新の研究で、小児のADEM(MSと診断されていることもある)で、特に再発の有る例で高率に抗MOG抗体が陽性であることが明らかになっています。MSに較べると障害は軽度の場合が多いのですが、約半数は2回目の再発以後、一定の障害が残っていると言われています。
この場合の治療はMSとは異なり、NMOに近い治療になります。
可能であれば、お電話を下さった上で、一度受診してください。 (2016/2/30現在)
A: @診断が確定していませんが、ステロイドのパルス点滴を2,3回反復してみてもよい状況だと思います。追加するなら早い方が良いでしょう。
MS/NMOや免疫異常による疾患であれば、効果がある可能性が高く。脊髄腫瘍であっても、一定の効果は期待できます。
感染症の可能性は髄液細胞数の増加が無いので、なさそうです。
A腫瘍である可能性を調べることは重要で、MRIでの追跡が主な方法です。
この段階でMSやNMOの長期治療を開始するのは時期尚早です。
髄液検査で、オリゴクローナルバンド、IgG indexの記載がありませんが、MS診断には最も重要です。検査しているでしょうか。
細胞数が6ですが、その内訳で、単核球、多核球はいくらずつだったでしょうか。
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