MSの診断・治療 | 症状(痛み・しびれ感以外)[共通] |
NMOの診断・治療 | 痛み・しびれ感 [共通] |
抗MOG抗体疾患の診断・治療 | 再発・見分け方 [共通] |
MS/NMO/抗MOG抗体疾患いずれか不明の場合の診断・治療 | 妊娠・出産 |
リハビリ・回復の見込み・後遺症 [共通] | その他 [共通] |
2016/12/5更新
A: 視神経脊髄炎(NMO)は視神経炎と脊髄炎がすでに発症している患者様にあてはまる診断名です。
強い視神経炎が発症し、抗体陽性で、未だ脊髄炎は発症していない場合はneuromyelitis optica spectrum disorder(NMOSD:視神経脊髄炎スペクトラム疾患)と診断されます。
NMOと同じ病態で視神経と脊髄のいずれかに未だ病巣が出ていない方も含めた広い疾患概念ですので、患者数もNMOより多くなります。
治療方針はNMOと全く同じです。早期に診断され、適切な治療がされれば、何時まで経っても再発、すなわち新しい病巣が加わることが無く、 NMOSDの状態にとどまり、NMOにはなりません。
私の患者様のなかで比較的最近に発症している場合は、NMOSDにとどまっている方が非常に増加しています。
A: NMO診断はまだ確定ではありません
文面からは、未だ再発がなく、一度だけ右目の視力低下と排尿障害などがでた、MRIで脊髄に長い病巣があるが抗アクアポリン4抗体は陰性であったとのことです。
この場合は、NMOの可能性がかなり有ると言えますが、NMOとの診断は確定していません。
もし今回の症状が再発であると判定され、他の疾患がしっかりと否定されていれば、NMOの診断が確定されます。
長い脊髄病変があるようですが、そうした病変が出ても再発の無い疾患がNMO以外にも色々ありますので、再発の無い場合には他の疾患の否定に注意が必要です。
視神経にも症状がでていますが、脊髄と視神経に症状がでることがある急性散在性脳脊髄炎という疾患があります。 脳にも病巣が出現することが多いのですが、出ないこともあります。抗アクアポリン4抗体陰性のNMOの診断には脊髄、脳のMRIの画像診断が決定的に重要です。 MRIでの脊髄病変の画像所見の観察でNMOと急性散在性脳脊髄炎は区別できることもありますが、そうした画像診断の正確な知識と経験が必要で、間違いの多い分野です。
もし抗アクアポリン4抗体が陽性であれば再発が無くてもNMOの診断が確定しますが、娘さんの場合は陰性だったとのことです。 ただ抗体測定方法がELISA法であったとのことですが、この場合、本当は陽性なのに陰性にでることがかなりあり、お勧めできない方法です。
Cell-based assay法を実施している信頼できる施設での検査が再度必要です。
抗MOG抗体を検査中とのことですので、同時に抗アクアポリン4抗体の正確な測定をやり直してくださっている可能性が高いと思います。 視神経炎がありますので抗MOG抗体陽性の可能性がありますが、その場合は治療方針もことなります。(2015/4/27現在)
A: 多発性硬化症や視神経脊髄炎の初期診断にはMRIは非常に重要です。その後の経過や治療効果の判定にも重要です。
まず、正確に手術で挿入されたものがなにであるかを把握するべきです。 MRIでもテラ数によるとのことですが、もっと具体的な記載を調べてもらい、正確な判定をしてもらうべきです。
MRIが利用できないと、確定診断が遅くなります。しかし1985年以前はMRI無しで診断していたのですから、可能です。 臨床症状、神経学所見、大脳誘発電位、髄液検査を利用します。(2015/7/5現在)
A: 診断確定がなによりも重要です。確定不能なこともありますが、らしさを科学的に推定することは、ある程度可能です。
先生のおっしゃっていることは、大まかには正しいと思われます。
記載の内容だけでは、MSか、NMOか、1度だけで再発の無い急性散在性脳脊髄炎の、いずれであるかを判断することは不可能です。
症状からは、初発のみで再発は無く、右視神経と頚髄または脳幹に小さな病巣の出現が疑われます。
@先ず、視神経の病巣がMSではありえない所見であったかどうか、明確な判断が必要です。病巣の部位、長さを正確に評価する必要があります。
A次に、脊髄液所見は派手であったとのことですが、その具体的所見が重要です。細胞数が50を超えていたのか、好中球の%はいくらなのか?
B抗アクアポリン4抗体低値というのはELISA法の結果ですが、陰性で、典型的MSでは無いのなら、もっと正確に測定できる、cell-based
assay法で、再測定する必要があります。
これらの結果を総合し、診断が確定しなくても、らしさを推定する必要があります。
その結果により長期の方針が決まります。
ステロイドの量が一定を超えて継続されれば、副作用がでます。その場合には、変更も可能ですし、今の時点で過度にご心配する必要は無いと思います。(2015/7/31現在)
A: 抗アクアポリン4抗体測定には色々な方法がありますが、眼科の先生が最初に出されたのはELISA法で簡便だが信頼性の低い方法であると思われます。抗体価が75で陽性であったと思われます。
この数値は低くはありませんが、数値が高くても、もっと正確なcell-based法で再検査してみると陰性であることもありますので、大きな意味はないと言えます。cell-based法でも陽性であることが確認できれば、経過をみて数値の比較が可能となりますが、保険がそうした再測定を許可していません。
この結果からはNMOの可能性が95%以上と高いが、確定とまでは言えない状況です。(2015/12/30現在)
A: 結論的には、提供された文章での情報のみで確定は困難です。
脳と脊髄のMRI画像所見が鑑別に最も重要と思われます。
初期の脳MRI画像のみでMSと診断できる特徴は無いようですが、完全にMSを否定も出来ないようです。記載所見であればNMO,ADEMもありえますが、見てみないと十分には分かりません。
症状が強かった初期に胸髄MRIが撮れていないようです。
ピーク時ではない6月の胸髄MRIで、ほんとうに長い病巣があるのか否か、横断画像でどのような分布か、明瞭に連続しているのか、などが疑問です。しっかりした撮影と観察がされたか不明であり、判定は困難です。正常で中心灰白質が淡く濃くうつりますので、それではないのかが疑問です。
髄液で細胞数が記載されていませんが、正常であったならADEMらしさは低いと言えます。MS、NMOでは正常数もあり得ます。
「脊髄に3椎体以上にまたがる明瞭な長い病巣が連続し、横断で主に中央に位置していた」なら抗アクアポリン4抗体陰性のNMOSDである可能性が高いですが、再発が無いのでまだ断定できません。1度限りの他疾患の否定が重要となります。MSは否定できます。
ADEMでも長い病巣がでることがありますが、熟練した医師であればほぼ鑑別可能です。 (2016/2/20現在)
A: あります。それほど稀ではありません。
しかし、経過が長くなれば経験する方が増えます。
また、正しい治療をしていれば、再発が無く、従って一度も視神経炎(あるいは逆に脊髄炎)を経験したことが無いかたが増えています。(2016/3/30現在)
A: 非常に長い脊髄病巣が一度出現して、NMOSD疑いだが、急性散在性脳脊髄炎(再発の無い脳脊髄炎)の可能性もあり、診断確定できない、と言われているとのことです。
抗アクアポリン4抗体は陰性ですので、MRI画像での判定が決定的です。
貴女と同様の状況で、診断確定されていない患者さんが、関西MSセンターへ受診されることが多いのが実情です。類似疾患を多数例観察した医師であれば診断確定可能でしょう。
貴女の場合、NMOである可能性が高いと思われますが、私が直接に読影できれば、診断を決めうる可能性が高いと思います。 ご希望でしたら、MRI画像情報をCDに入れて頂き、(できれば検査結果のコピーも持参し)て、受診してください。
(2016/5/5現在)
A: ご心配のことでしょう。
診断はNMOSDであるが未だ典型的な脊髄病巣はでていない可能性が非常に大きいと思われます。もうすこし踏み込んだ診断をして自信をもった治療ができる可能性があります。
担当医は分かっているが、貴方に伝わっていない可能性もあります。
無菌性髄膜炎やウイルス性髄膜炎様の症状や検査結果で発症したNMOSDの方を何人も経験しています。先駆した無関係の独立した疾患ではなく、一つの疾患のはじまりであったと考えるほうがより自然です。
髄液細胞数が219とかなり高値ですが、MSにおいて髄液細胞数が50を超えることはほとんどありません。NMOSDでは1000を超えることもあります。髄膜炎として間違った治療をされた方が時々あります。
短期間の間に両眼の視神経炎があり視力が強度に低下していますが、こうしたことはMSでは非常に稀です。もし1月以内に両眼の強い視力低下があったのであれば視交叉と言われる場所に病巣があった可能性が高く、MRIで検査をしていれば確認が出来たはずです。
NMOSDの非常に特徴的な所見です。
吃逆があったとのことですが、その程度と、持続日数、その時の延髄のMRI所見も重要で、それのみでNMOSDの診断が可能なこともあります。
ELISAでのアクアポリン4抗体が陰性であったとのことですが、この方法ではNMOSDの半分程度しか陽性に出ません。
NMOSDらしさを脳と脊髄MRIで確認することも非常に重要ですが、NMOとMS鑑別に熟練した医師でないと難しいこともあります。
現在までの急性期の治療はNMOSDを想定した治療が行われおり、MSの治療は部分的にしかできていないと言えます。NMOSDだとするとパルス点滴をもう少し反復し、血漿交換も7回まで行なうべきであったと思われますが、他の医学的状況でやむをえなかったのかもしれません。症状のピークから1月以上たっているなら、現時点では無意味かもしれません。
診断を確定し、長期再発防止治療の開始と回復のためのリハビリ治療の継続が重要です。 診断と治療方針についてのセカンドオピニオンを希望されるなら、担当医に依頼し資料をお持ちになって受診ください。抗アクアポリン4抗体のより精密な方法での再検査も重要です。御家族のみの受診でも可能です。(2016/7/20現在)
A: アザチオプリン(イムラン)は有効性を発揮するのに時間がかかり、6カ月後から最大の効果となります。
まだ効果が出ていない時期に再発があったのは残念なことです。
私は最初から早期に効果が期待でき、安全性も高い免疫抑制剤をのんでいただきます。
欧米では最初からイムラン(価格が安い)などを使うのが普通になっています。
プレドニン15mgをのんでおられたので、時に再発があっても、あまり重い再発は少ないのが通常ですが、稀には重い再発もあります。
効果の遅いイムランを続けるのなら、早いテンポでプレドニンを減量するのは危険です。(2014/10/30現在)
A: プレドニン以外の再発予防薬を服用開始するべきだと考えます。
免疫抑制剤という分類に入るので躊躇する先生が多いのですが、一定の知識があれば十分に安全に利用できます。
患者さんに判断を委ねるのは間違いであり、正しい選択を勧めるのが医師の仕事です。
無治療で放置すれば、再発のリスクが高く危険です。今回は無症状にまで回復しても、今後も同様であるとは言えません。
回復しない障害が残る確率が高いのがNMOの特徴です。
ステロイド(プレドニンなど)は有効な量を長期に使用すれば副作用がほぼ必発です(直ぐには自覚症状に結びつかないものも含めると)。
免疫抑制剤といわれる薬のうち、副作用がほとんど出ないものもあり、上手に使うことで、長期に安全に使用可能で、効果もあります。
A: ステロイドのパルス点滴は症状が出現して未だ改善しない場合の、改善促進の治療です。
今後の再発予防治療ではありません。従って、現時点では不要だと考えます。
今後の予防治療には副作用のほとんどない免疫抑制剤と経口ステロイドのあまり多くない量での服用の両方の併用を開始することをお勧めします。
ステロイドは一定量以上では副作用が多いので、比較的短期間で中止します。
A: 関西MSセンターではNMOの方に免疫抑制剤を使っています。ステロイドは、初期に少量を用い、比較的早期に中止します。
免疫抑制剤には色々な選択肢があり、比較検討をしています。
ある薬剤による治療法は、100人以上の方での長期使用経験があり、良い結果がでています。
論文として発表する準備中ですが、厚生労働省からNMOの治療法として認めていただいていないので、ホームページなどに公表することにいくつかの問題があり、具体的に書くことができません。
診療を受けている病院の地域により、保険が免疫抑制剤を認めてくれないことも、これまで有りました。
適応外の薬物使用となると、病院の専門委員会にはかることも必要であり、根拠となる論文をもとめられることとなりますが、未だ論文がありません。
こうした理由で、今の段階では、私が直接に治療方針の基本を決め、検査結果をチェックし、副作用が無いことを確かめ、経過を追跡することが必要です。
年に2度程度、外来に来ていただくことで治療は可能で、関東地方からも何人も来ておられます。
無論、地元の先生との協力が必要で、採血検査などをしていただき、問題がないことを確認し、異常があれば、いつでも電話連絡をしていただき、対策を指示します。
神経内科、内科、開業医の先生でも、協力いただければ問いません。こうした先生が見つからなかった例は、これまで有りません。
治療により、重い再発が起きることは、ほとんど経験していませんので、こうした遠隔治療が充分に可能です。正確な診断と正しい治療方針が前提ですが。
欧米では、年に一度だけ定期診察をするのが、標準です。
世界のNMO研究・治療の中心といえる米国ミネソタ州のメイヨークリニックでは、免疫抑制剤のみでの治療を基本としており、 再発の有った急性期の方でだけステロイドを使うが、1年以内に中止しています。他の欧米での治療も、多くはこれに類似しています。
アザチオプリン(イムラン、アザニン)が中心的に使われていますが、骨髄抑制による感染の増加や、 効果発現までに6か月近くの長い時間が必要、効果の無い患者さんもいる、などの欠点があります。
多くの免疫抑制剤には様々な欠点があるため、使い方に経験と知識が必要であることも、日本であまり使用されない理由となっています。
日本ではステロイドだけで治療し、どうしても再発が多い時にだけ、免疫抑制剤を追加的に使うのが殆どとなっています。
全国で患者さんに対し講演する機会がありますが、壇上から聴衆席を見ますと、肥満して、車いすに座っているか、杖を使っている女性の方が多く、
それだけでNMOの患者さまであり、ステロイドの副作用だなということがわかります。
ステロイドのみでの治療ですと15mg〜20mgを長期に続ければ、再発がかなり少なく維持できます。15mg以下になりますと、再発する人が次第に増えます。
長期になれば、次第に減量しても大丈夫な方が増えるといわれていますが、このように減量すれば大丈夫という発表は、これまでの所はなく、手探りで、恐る恐る減量していると言えます。
A: NMOの初発症状が軽度で消失したから、再発防止の治療を開始しないで様子をみているとのことです。
そうした方針は間違っています。
私が長年診ているNMOの患者さん計200名以上の中で、治療をしないで長期に(10年以上)再発が無いかたは1名のみです。 そうした非常に幸運な方と同じであると期待して、治療をしないのは危険性が高すぎます。
医師が一定の注意を払えば、安全に再発を防止できる可能性が高い治療法があるのですから、利用するべきです。
特別の理由が無く担当医が治療をして下さらないなら、病院を変えることをお勧めします。(2015/5/16現在)
A: NMO(SD)の方の治療としては、約10年前から、原則として免疫抑制剤を中心とした治療をお勧めしています。 プレドニンは通常、漸減して中止します。
長期に使用しますので、安全性の高いことが重要ですが、欧米ではイムランを使用することが最も普通です。 価格が安い、発表されているデータが最も多いことが、使用の理由でしょう。
私は250人程度のNMOSDの患者さんを治療している経験とそのまとめから、プログラフ、ブレディニン、ネオーラルなどを第一選択としています。
それらの内のどれを使うのかは、腎機能や合併症、年齢、病状などで判断します。
何れにしても、 医師が処方するのであり、担当医が勉強し納得して処方する以外にありません。
効果の程度、効果発現までの時期と速度、服薬方法と量の決め方、副作用と防止の注意点などが全て異なります。 神経内科の先生は細かい点を御存じないことが多いお薬です。
また、地域によりNMOの病名では保険が利用できないことがあることも、注意点です。
一度、受診して下されば、担当医宛てのお手紙で意見を申しあげ、同意が得られれば、連携して治療することも可能です。(2015/7/31現在)
A: 全く問題ありません。
A: 遠隔地の方でも私の方針で治療を続けることは可能です。
特定疾患として保険診療の中で治療継続が可能ですので、原則として特別の診療費の自己負担はありません。保険診療外の医療がどうしても必要な場合は、病院が負担します。
遠隔地ですと交通費の負担はありますが、大半の方は再発が無くなり、診察の間隔を6月に1回程度に減らすことが可能です。安全を期すため副作用チェックのための簡単な採血検査が必要ですが、当方から地域の家庭医の先生に依頼し、結果を本人から報告していただくことで、通院回数を減らすことが可能です。
地元の神経内科医師の紹介状は、ある方が時間を短縮できることが有りますが、無くても、診療は可能です。手持ちのデータ、MRIのCDなどは全て持ってきてください。日頃からデータは全ていただく習慣をつけたほうが、自分のために役立ちます。
A: NMOSD患者さんをステロイドのみで治療すれば、副作用はほぼ必ず発生します。免疫抑制剤には様々あり、ステロイドより副作用が多いということを一般化することは間違いです。副作用の少ない免疫抑制剤を早期から併用し、ステロイドを早期に中止することが可能です。
私達の病院では保険適応外であるとの理由で患者様に医療費の自己負担をしていただくことはありません。
MSとNMOSDの何れかのみの専門の医師ということは、あり得ません。私の場合は1000名以上のMS/ NMOSDの患者さんを治療しており、約30%がNMOSDですが、個人で治療しているNMOSD患者数としては世界的にも最大数ではないかと思います。(2016/2/1現在)
A: (1)
ステロイドのみを減量することは再発リスクを高めます。免疫抑制剤の併用をするべきです。ステロイド単独の減量が可能なこともありますが、再発の可能性が高く、そのリスクは免疫抑制剤によるリスクよりはるかに重大です。
イムランを開始してから「体調が良くない」とのことですが、本当に副作用の症状であるかどうか、担当の先生のご意見に従うべきでしょう。イムランで生じ得る問題はよくわかっています。新しい?問題がすべてイムランによるとの判断は間違っている可能性が高いです。NMOそのもの、あるいは他の原因によるのではないでしょうか。
倦怠感と全身の痛みが悪化しているのであれば、イムランによることは殆どあり得ません。NMOSDの後遺症の可能性が高いでしょう。再発後、時間を経て痛みやシビレ感が増強することは、普通に見られる現象です。修復進行に伴い増強することが最も多いです。
(2) ケタスがNMOに有効であったという、ちゃんとした報告は存在しません。もしあったとしても、軽微な効果しか期待できないでしょう。
イムラン以外にも、安全でしっかりした免疫抑制剤がいくつかあります。
イムランの効果発現は遅いので。長期に利用しなければ意味がありません。数か月してステロイドの減量を開始し、1年近く利用すれば、ステロイドの中止も可能となります。
(2016/5/10現在)
A: 現在日本ではNMOsdは新しい病名であり、正式に承認された薬は有りませんが、実際上はかなりの種類が利用可能です。保険審査担当者の判断で決まります。担当医師が病名、合併疾患の病名、利用する理由と根拠などを説明する書類を提出し、認められれば利用可能です。
プログラフは、効果発現が早く、プレドニンなどのステロイド減量が早く可能であること、イムランに較べ有効率が高いという利点があります。イムランより薬価がやや高価ですが、私の病院では自己負担をしていただくことはありません。大学病院などでは利用できないことが多いようです。日本では保険診療と自費診療の混合診療が禁じられていますので、患者さんに負担していただくことは、ほとんどあり得ません。特定疾患の患者さんであれば、金額を気にする必要はありません。
イムランからプログラフへの切り替えは、何時でも可能で、問題ありません。
イムランはかなりの方に有効な薬で、欧米でNMOsdに広く利用されています。古い薬であり安価で保険審査で引っかかることは稀です。欠点は、効果発現が遅く、100%に達するのに6月を要するため、プレドニンの減量が遅くなること、有効性の低い方があり、再発が有りえること、骨髄抑制で白血球、血小板などが減少したり、肝障害、脱毛などが時に見られること、非常に長期に利用すると僅かに発癌が増えると言われていることなどです。
治験は一般論として現在利用可能な治療薬が無いか、利用したが効果が無いか、劇症で効果不足が予測される、または副作用で使えないなどの理由がある時に考慮する研究的治療です。半分や3分の1は偽薬(効果の無い偽のカプセルや点滴液)に当たる可能性がある計画がほとんどです。
NMOsdでは90%の方は現在利用可能な薬で安定化し、安全に治療できますので、治験に参加されるのは特別な方です。現在NMOsdのため沢山の治験が実施されていますが、既に利用可能なものより全てが優れているとは限りません。リツキサンの場合は過去に多数例で利用した結果が発表されておりますが、一定の再発が生じています。医師も事前にそうした説明をする義務が有ります。(2016/6/17現在)
A: 視神経炎に限りませんが、最初は回復が良かった障害が、再発を反復するうちに次第に回復が悪くなり、元に戻り難くなることが多いです。
ただ、パルス終了から未だ2,3週を経過した段階でしょうから、今後ゆっくりと回復が続く可能性が高いでしょう。
しかし、元通りにはならないかもしれないと思われます。
残念ですが現時点では、今後の経過を見る以外に、回復を促進させる有効な方法、薬剤などはありません。
結果論になりますが、最初から血漿交換とパルスを並行して実施すべきだったでしょう。
特に、今回の再発のピーク時に障害が強かったのであれば、そうするべきでした。
視神経脊髄炎では、できるだけ早期に実施すれば、血漿交換とパルス併用が最も有効な治療です。今後の参考としてください。(2014/10/30現在)
A: 急性期からの回復を目指す治療は計10日までのステロイドパルス点滴と、計6回の血漿交換療法が基本です。
私は同時に免疫抑制剤と経口ステロイドも開始しますが、日本では経口ステロイドのみの先生が多いです。主に、さらなる再発をしっかりと防止する目的です。
MRIなどで、炎症がおさまったと判断されましたら、出来るだけ早期からリハビリを開始します。
1年ぐらい、特に後3ヵ月の間のリハビリをしっかりとすることが、最も重要であり、有効です。
通常はかなりの回復が期待できますが、本人の意欲、努力が大切です。
A: 増悪症状の回復が不十分なら、パルス2,3回まで追加します。重症なら最初から5日連続点滴をします。
パルスを入院でしか実施しない病院が多く、入院日数を減らすために経口に切り替える病院があります。
私は原則外来で実施しています。感染症の経験はありません。
経口ステロイドを漸減で追加するのは、パルスの追加が出来ない時です。パルスの方が効果が明確です。
同量の経口ステロイドを服用すれば、同等の効果はありますが。
A: ステロイドパルス点滴治療は、MS、NMOのいずれでも、ほぼ同様な使用方法で、効果も同様です。 NMOのほうが効果が明らかで分かり易いことが多く、MSではパルスをしなくても自然回復が遅れてみられる割合が少し高いです。
パルス療法の効果の発現時期は、点滴開始から2日から5日程度で明らかになることが最も多いのですが、同じ患者さんでも毎回同一ではなく、予測は困難です。 再発症状が重く、急速であれば、反応を見ながら5日間点滴をし、3日ほど中休みをし、回復の始まり、進行が不十分であれば、再度、3〜5日間のパルスを追加します。 平均的には、MSの発症初期には回復が良いことが多いのですが、最初から重症で回復も悪い場合もあり、一律ではありません。
非常に重症の再発、初発であれば、パルス療法と並行して血漿交換を実施するべき場合もあります。 通常は2回のパルス療法への反応が不十分であれば、後遺症を残さないために、できるだけ早期に、症状の始まりから2週以内に血漿交換を開始します。
1月以内なら開始することもあります。
A: 貴方は再発時にステロイドパルス点滴をすると、一時的に脱力が生じることを経験しているとのことです。 私の患者さんの中にも、貴方と同様の経験を訴えるMS/ NMOSD患者さんが、10人ほどおられます。パルス療法の副作用の一部であろうと考えられますが、原因などの詳しいことはわかっていません。 強い疲労感、脱力、苦しい、全身のむくみ、尿量の減少、などでパルス点滴が出来ない場合もあります。 パルス点滴の一過性の副作用には、その他に不眠、興奮、精神症状、しゃっくり等があります。 パルス療法にともない反復する一過性の症状は、MSの再発とは全く異なる現象であり、後に後遺症を残すことはありません。
A: プレドニンの長期服用は治療にはなりません。血漿交換は急性の重い悪化があった後、できるだけ早く、遅くとも1月以内に実施しなければ効果は期待できません。
昨年やそれ以前に出現し、残っている症状は、後遺症であり、残念ながら根本的に無くする治療はありません。しかし、症状毎に軽減する治療はある事も多いので、医師に相談するべきです。
A: 1日に15mg以上服用では再発は少なく、1年に5人に1人程度、15mg以下となると5人に3人程度で再発があると言われています。
5mg以上を長期に服用すれば、副作用は必発です。
私はプレドニン単独での治療は間違っていると主張しており、早期から副作用の少ない免疫抑制剤を併用し、
6ヵ月程度でプレドニンを中止し、その後は免疫抑制剤単独で治療をします。プレドニン単独より、再発も少なく、副作用はほとんど出ません。
障害が進行するような再発はほとんどありません。日本の神経内科の先生達の多くは免疫抑制剤の経験がすくなく、
危険性を過大評価し、プレドニンの方が安全と思い込んでいることが多いのですが、間違いです。正しい利用をすれば、免疫抑制剤の副作用は防げます。
欧米でも、プレドニンは副作用が必発ですので、NMOの治療の中心は免疫抑制剤です。(2014/8/12現在)
A: ステロイド(プレドニン、メドロール、リンデロン、デカドロンなど)の長期使用による副作用には、
肥満、満月顔貌(ムーンフェイス)、高脂血症、動脈硬化、リンパ球減少、白血球減少、易感染性(感染にかかり易い)、
感染の重症化、ニキビ多発、骨粗少症、大腿骨頭壊死、緑内障、白内障、出血傾向、消化器潰瘍、脱毛、白髪などがあります。
また、小児にステロイドを長期に使用しますと、成長抑制、低身長なども起こります。
ステロイドは副腎皮質ホルモンであり、腎臓の上に付いている副腎が分泌するホルモンの類似物質ですが、長期に一定以上の量を服用していると、
副腎が萎縮し、機能を停止してしまい、正常な分泌能力が永久に失われます。
こうなると、一生この薬を飲み続けることが必要となり、服用を中止すると、ショック、易疲労性、劇症の感染などが起き、危険です。
NMOの再発時には短期のステロイド大量点滴パルス療法をおこなうのは、国内外で同様です。 より重要なのは長期の再発防止治療の方針ですが、ステロイド、免疫抑制剤、リツキサンなどのいずれも有効ですが、
効果、副作用とも、比較的少数例での経験の報告はありますが、しっかりとした研究論文の発表が全く無いため、各医師が手探りで治療しているのが実情です。
欧米では免疫抑制剤であるイムランを使用することが非常に多く、日本ではステロイドのみで治療することが普通です。
私はこの6,7年間の経験から、安全な免疫抑制剤を中心にした治療を続けています。 ステロイドは最初から少量のみとし、出来るだけ早く中止ししています。免疫抑制剤と一口に呼ばれる中には、様々なものがありますが、
安全性の高いものを適切に使用することで、殆ど副作用は起きていません。
小児の方でも同様でして、4歳発症の女児の方も、最近はステロイドを全く使用せず、成長、健康など、完全に正常な状態が維持できています。
A: ステロイドの使い過ぎのためであると考えられます。
私の患者さんでは全く経験がありません。他院で過去に大量に使用し、転院してこられた後で骨折を生じた方はありますが。
ステロイドを減量か中止をするために免疫抑制剤を利用するべきです。(2016/3/30現在)
A: いわゆる免疫抑制剤を服用しているから、どの場合でも感染症に罹り易いとは言えません。
一様ではありません。
免疫抑制剤と分類されている薬剤でも、薬剤により、複数であれば組み合わせにより、使用量と使用期間により、分服法と服用時間により、効果、副作用、感染に対する抵抗力の低下などは異なります。個人差もあります。どの場合でも危険なわけではありません。
さて、貴方の場合はプレドニン20mgとプログラフ3mgをのんでおられます。過去の用量と使用期間が分かりませんが、プログラフよりプレドニン20mgの方が感染に対する抵抗力を低下させる影響が強いと思われます。プレドニン20mgを長期に服用しますと、感染の増加も含め様々な副作用があります。
個人差があり、一概には言えませんが、人ごみ、多人数が利用するプール、浴場は避け、うがい、手洗い、洗顔、マスク使用などの注意が必要でしょう。
私はNMOsdや重症筋無力症でプログラフ単独での長期治療を実施しており、感染症の増加を感じることはほぼありません。特別の注意も必要が無く、普通の生活をお勧めしています。感染での後遺症などは経験していません。
帯状ヘルペスなどはやや増加している可能性がありますが、明確な増加ではありません。一般に非常に多い疾患ですので、早期に治療を開始することに留意するように説明しており、問題は起きていません。
(2016/8/5現在)
A: 先ず、お薬を自己判断で「時に中止」することは危険ですので、必ず医師と事前相談をしてください。
プレドニンなどのステロイド薬は、極少量や短期服用を除き、長期服用は妊娠の有無に関係なく様々な副作用を生じることは明確ですので、効果と副作用の比較を行い、また他剤での効果、副作用と比較を行い、必要最小限とするべきです。
私は主にステロイド以外の2種類の経口薬を利用し、ステロイドの利用は短期間か、一部の例外的患者さまに限定しており、NMOsdの患者さんの大半で非常に長期に再発が無い治療ができています。妊娠中にも服用を継続することも可能です。腎機能に問題が無い方であれば副作用も血中濃度を管理することで問題は生じていませんが、血液検査の結果により第3の治療に切り替えることは時にあります。
ご希望でしたら、一度外来を受診してくだされば、地元の先生に説明のお手紙を作ります。
ご質問にある胎児に対する影響は、現在の服薬量であれば、それほどご心配する必要は無いでしょう。
妊娠中、特に器官形成期(4〜7週程度)は薬による催奇形性が高い時期であり、ステロイド内服で、胎児に口蓋裂が生じるリスクが3.35倍になることが報告されています。また、低体重児での出生の増加や、脳性麻痺の増加の報告もあります。しかし、これら胎児への影響は、「ステロイド」が必要なほど、母体が不健康な状態であることが与える悪影響も考慮する必要があり、決定的な証拠があるわけではありません。
一方、胎盤には、プレドニンなどの「プレドニゾロン」を不活性化する11β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素が多く存在するため、胎盤で薬がほとんど不活性化され、胎児にまで到達しないので、1日20mgまでであれば胎児への影響は無いと言われています。副腎皮質ホルモン「ステロイド薬」は多くが胎児の安全性カテゴリAに分類され、妊婦に対しても使用できる薬と評価されています。従って、妊娠中の少量ステロイドの服用は、それほど重大な奇形を生じる可能性は低いと言えます。
他方、再発時に利用する大量(1000mg)点滴パルス療法は胎児の発育を若干遅らせ、体重、身長の小さな新生児となる可能性があると考えるべきですが、やむを得ず実施することがあります。
(2016/8/20現在)
A: 診察をしないで答えるのはかなり難しいご質問ですが、一応、お答えします。 MSとNMOはなんとしても区別をするべきですし、99%は区別可能です。治療が全く異なります。
MSとNMOを臨床症状のみで区別することは、多くの場合困難です。 アクアポリン4抗体陽性か、脊髄炎があった時のMRIで特長ある所見が見つかるか、いずれかがあれば決定的となります。前者は東北大であれば信頼できます。
後者は撮影のタイミング、方法、判断に一定の知識、経験が必要です。 脳MRIはMSの鑑別に必要な、フレアでの縦断撮影や、造影撮影をしていることが、前提で、画像診断に経験が必要ですが、MSとNMOの区別が困難な事が少なくありません。
髄液のオリゴクローナルバンド陰性はMSの半数がそうであり、MS否定の根拠には全くなりません。髄液の細胞数、種類、IgGインデックスも参考になります。
私もNMO確定は出来ないが疑いが強いときに、ステロイド服用や免疫抑制剤を開始することが非常に稀にありました。 しかし、ややNMOの疑いが残る程度であれば、注意をしつつ、MSとしての治療を開始します。
A: MSとNMOはなんとしても区別をするべきですし、99%は区別可能です。治療が全く異なります。
MSとNMOを臨床症状のみで区別することは、多くの場合困難です。アクアポリン4抗体陽性か、脊髄炎があった時のMRIで特長ある所見が見つかるか、
いずれかがあれば決定的となります。前者は東北大であれば信頼できます。 後者は撮影のタイミング、方法、判断に一定の知識、経験が必要です。 脳MRIはMSの鑑別に必要な、フレアでの縦断撮影や、造影撮影をしていることが、前提で、画像診断に経験が必要ですが、MSとNMOの区別が困難な事が少なくありません。
私もNMO確定は出来ないが疑いが強いときに、ステロイド服用や免疫抑制剤を開始することが非常に稀にありました。
A: ビタミンDは多発性硬化症の発症に関係があり、再発にも一定の関係がある可能性がありますが、NMOと関係している証拠は今のところありません。
無いとも言えませんが。
DHAはさらに関係しているかどうかの研究は無く、不明です。(2015/5/17現在)
A: 結論を言いますと、現時点で治験を考えることは間違っていると思います。既存の治療薬で充分な効果と安全性が得られる可能性が高いからです。先ず試みるべき他の治療があります。
治験のほとんどは比較対照試験です。これは「効果が期待されている治験薬」と、比較の対照である「偽薬」または「有効性が示されている既存薬」の何れかでの治療を受けるのですが、治験結果の解析が終了するまで、本人、担当医師、製薬メーカーの誰もが、何れの薬が使われたかは分からない状態を継続します。
偽薬による再発のリスクがありますので、それを上回るベネフィット(効果や利便性など)が有ると判断される時にのみ選ばれる方法(実験)です。
NMO治療として現在ある治療の効果と安全性をどう考えるか、これまでの選択と経験で意見は異なるだろうと思われます。担当の先生はステロイドのみを使用しており、良い経験が無いのかもしれません。日本ではステロイドのみでの治療にこだわる先生が多いのですが、間違っており、欧米ではそうではありません。
私は約300人のNMO患者さんの治療をしていますが、初期から安全性の高い免疫抑制剤を利用し、ステロイド(プレドニンなど)は早期に中止します。こうした治療は重症筋無力症で20年以上、NMOで10年の多数例での経験があり、一定の注意を払うことで、回復不能な副作用はこれまで全く経験していません。稀に検査値の異常で治療を変更する程度です。全く再発が無い方が大半です。
私の関西多発性硬化症センターでもNMOの治験を数種類実施しています。しかし、治験への参加をお勧めせざるを得ないのは、50人に一人程度であり、全員が様々な既存の治療薬を試みて十分な効果が得られない方です。糖尿病、腎障害、肝障害などがあり既存薬を利用しにくい方も含まれます。
リツキシマブ(リツキサン)はマウスのモノクローナル抗体ですが、非常に似ているが完全に人化し、効果と安全性がより優れていると考えられる薬剤のNMO治験が日本を含む世界で進行しています。補体C5に対するモノクローナル抗体での治験も進行しています。
リツキシマブの改良薬であるオクレリズマブで、多発性硬化症に対する非常に優れた効果が最近発表され、2016年中には欧米で利用が開始されると予想されています。
こうした類似改良薬が日本でも利用可能になり、実際の治療での他剤と比較する経験が充分に積まれれば、将来、第一選択薬となる可能性もあると考えられます。(2015/11/21現在)
A: 大変しっかりと文献を読んで、適確な質問をしておられることに感心しました。しっかりした原著の学術論文(英語など外国語が殆どです)なら何年頃の調査で、どうした治療が何%で利用されていたか記載されているものもありますが、患者様向けの紹介文には書かれていないことが多いです。
NMOでは診断や治療が進歩しつつあり、一般の病院、医師にも拡がりつつあり、それに従って一般的なNMOの予後も改善しつつあります。しかし、こうした進歩が続いている間は、先進的医師、専門医、一般神経内科医師などの間の差は今後も常にあるだろうと思われます。
NMOはしばしばMSに較べ重症化しやすく危険であると書かれています。初発時に、いきなり重症となり、診断がつかないで血漿交換の実施が遅れることがあり後遺症が残っている人があります。そうした運の悪い方を除けは、その後はMSの方より予後が良く、一般的に重症で危険であると言うのは間違いです。過去には誤診、診断の混乱が多かったし、現在でも治療が適切でないことが多いことが原因だと思います。
早期から現在ある治療薬を適切に使うなら、ほとんどの方で予後が良く、通常の生活を一生送ることが可能です。
私のクリニックで近年増えているのは脊髄や視神経、シヤックリなどの一つの初発症状がでただけで診断が確定し、適切な治療が開始された後は全く再発が無い人達です。
10年前までは視神経炎、脊髄炎の両方がないと診断が出来なかったし、その後の治療が適切でないと、脳の重症の再発が多く、車椅子、失明の方が多かったのが、大きく変化しました。治療により、その中身により、症状の中身と予後に大きな差が出ます。
万が一再発があっても、早期、できれば1日以内に適切な治療が開始されるなら障害が残ることはほとんどありません。そのために関西MSセンターでは専門医師直通の24時間のホットラインを設けています。診断が確定できていれば、再発の判定は電話でも難しくありません。(2015/11/21現在)
A: 歩行改善薬ダルファンピリディン(ファンピラ)はMSで効果が証明されていますが、NMOSDではまだ使用経験がありません。 一定程度有効である可能性は有りますが、日本での発売の後に、一部の医師が注意深く試してみることになると思われます。(2016/3/30現在)
A: NMOSDか、他疾患なのかにより治療は異なります。
NMOSDなら、安全な免疫抑制剤を開始するべきです。プレドニンは有効ですが長期に使用すると弊害が大きくなりますので、短期間で中止します。
プレドニン単独治療の中断、無治療は大きなリスクがあります。重症再発で後悔をしている方を多数見ています。そうした危険を冒すべきではないと思います。私のNMOへの免疫抑制剤使用で後遺症状を残す副作用が出た方は、これまでありません。
ホームページの情報をお読みください。
NMOSDであるとすると、妊娠中にも服薬継続が可能な治療があり、安全に出産、育児をしておられます。通常の生活の継続が可能です。 治療を継続しつつ、何時妊娠しても問題ありません。
一方、プレドニン単独治療であれば、減量し中止するのですが、妊娠まで、出産後に、再発のリスクが高まります。何年経てば安全とは言えませんし、治療中止はお勧めしません。
(2016/5/5現在)
TEL 075-468-8642
FAX 075-468-8657
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