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リハビリ・回復の見込み・後遺症に関する質問

Tリハビリテーション



U回復の見込み



V後遺症



リハビリ
回復期のリハビリについてメニューなど注意点があれば、お教えいただけますか?

A: 今までやってきた訓練と筋力アップの運動を、空いた時間に、自分で小刻みに反復することが重要です。

筋力の低下がある中で運動をしますと、残った筋に負担がかかりすぎて、関節や腱の痛みが生じることが有ると思います。 多少の痛みは大丈夫ですが、強い痛みや腫れが生じますと、炎症が有害となります。 そうならないようにするには、小刻みに休息をとり、反復回数を増やすことです。それでも、一日の運動量には限界がありますので、能力に応じて調節が必要です。
貴方の状況に合った運動を、リハ技師の指導にもとずき、リハの時間以外でも自己訓練を繰り返すことです。

MSあるいはNMOにだけの特別なメニューはなく、本人の意欲、努力が大きく影響します。



左脚の運動麻痺が強いが、リハビリで改善するか?

A: リハビリの効果があるかどうかは、先ず、いつ障害が出現したか、その後リハビリを何ヵ月、どの程度実施したか、全くしていないかが大きく影響します。

症状が急に出現して間もないのであれば、リハビリの効果は大である可能性が高いです。
既に6月を超えているのであれば、かなり回復は難しいが、一定の回復の可能性はあります。
2年経過していれば、効果はほとんど期待できません。しかし、それまでのリハビリがあまりできていなかったなら、一定の効果はありえます。 また症状が重い場合、1年以後でも、現状の機能を維持するためのリハビリの継続が必要です。

もし、ゆっくりとした症状の悪化が年余にわたり継続しており、二次進行型に移行していると担当医から説明を受けているのであれば、改善はかなり難しいと覚悟する必要があります。 リハビリが全くできていなかったのなら、一定の改善が得られることもあります。(2015/8/22現在)



ロボットスーツでのリハビリは改善率が高いのでしょうか

2012年に発症し3年となります。 7ヶ月前に脊髄に再発し片麻痺となり、かすかに筋収縮が感じられる位です。現在は車椅子生活です。 今後、ロボットスーツでのリハビリを検討しているのですが実際のところ、ロボットスーツでのリハビリは改善率が高いのでしょうか。

A: ロボットスーツHALを用いたリハビリでの歩行訓練は、最近保険適応となり、普及が始まったばかりです。
これまでは麻痺が強くて歩行訓練が不可能で、筋力アップ訓練しかできなかった方でも、スーツを用いで、歩行の訓練が可能となり、最終的には歩行が可能となった方のビデオ記録が出回っています。
未だ、各地での使用が始まったばかりで、多数例での報告はありません。 私の個人的な経験ではありませんので、詳しいことをお教えすることができない点、申し訳ありません。
麻痺が生じてから時間が経っていないほうが結果が良いのは、リハビリ一般でのルールですので、7月経過していることが、一定の障害となるかもしれません。 ビデオでは、かなり時間の経っている方で、ロボットスーツが効果をあげた経験が紹介されていましたので、良い結果がでるかもしれません。
リハビリ担当の先生がお勧めなら、期待して実施してはいかがでしょうか。(2015/8/24現在)



ロボットスーツリハビリにて歩けるようになった患者さんは、どのくらいリハビリを行ったのでしょうか?

A: ご質問への返答は大変困難です。

通常のリハビリを実施しても脚力不足で立位を保てないために歩けず、車椅子であった方が、 2年ほど経過してロボットスーツを利用して数か月で、ゆっくりとした歩行が可能となった方のビデオを見たことがあります。 起立をするのに、あとわずかの筋力が不足していたので、短期間で劇的な効果が見られたのかもしれません。

一般論としては、ロボットスーツを利用したリハビリの効果は、開始する時点での障害の種類と程度、 それまでどのようなリハビリをしてきたか、障害が出現してからの経過時間などが決定します。
これらが一人一人異なりますので、担当の先生に質問することが大切でしょう。(2015/9/9現在)



HAL(ロボット補助)リハビリで2年間もの間動かなかった下肢が動くことはあるか?

4年前に発症。リハビリ中心の治療をしていましたが、半年前にHALを用いたリハビリを行うまでは大きな改善はなし。HAL(ロボット補助)リハビリで2年間もの間動かなかった左足が少しずつ動き出し、現在ではクローヌスも出ています。もう少しで杖歩行が可能になりつつあります。 この経過からHALリハビリの影響は大きかったのでしょうか。MSである場合、HALリハビリで2年間もの間動かなかった下肢が動くことはどうなのでしょうか? クローヌスが現在になって目立ちつつあるのは何を意味しているのでしょうか? 歩行時に左足が上に浮いた瞬間震えのような振戦?が見られます。これもクローヌスの一部なのでしょうか?

A: HAL(ロボット補助装置)は通常のリハビリでは出来なかった筋群のリハビリを可能とし、リハビリ不足で廃用性萎縮となりかかっていた筋を使用可能なレベルへと鍛え直す意味が有ります。それにより歩行が可能となることもあります。

下肢の痙縮性増強による痙攣やクローヌス様の不随意運動が強くなりつつあるようですが、麻痺から回復過程で痙性を抑制する脊髄の上部神経回路機能(の一部)が遮断されたまま、脊髄下部の運動神経の機能の回復や、筋力の増強が進む結果、痙性が増強することはしばしば観察されます。診察で確認することが必要ですが。

他の可能性としては、脊髄や脳の痙性抑制回路の変性の進行が生じている可能性もあります。他の神経症状増悪の推移で判定します。 (2016/2/10現在)



EMS治療器具の利用は有効?

MS、NMOSDが確定できない状態です。首から腰にかけての筋肉の緊張緩和、筋力の維持のため、低周波治療器、EMSを試してみたいのですが、脱髄疾患の疑いが大きく、顔面麻痺の症状もあったため電気的な刺激を与えていいのか使用を躊躇しています。 これらの機器の使用の可否についてお尋ねします。

A: EMSとは Electric Muscle Stimulation(筋電気刺激) という意味で、器具を用い筋肉に電気的な刺激を与え、強制的に他動運動をさせることにより筋を訓練し強化する方法です。
テレビなどのコマーシャルで筋トレ用器具としてご覧になっているものです。

病院のリハビリで運動麻痺回復や筋力維持の補助器具として利用されることもあります。私の知る限りでは、健康保険で認められたものではないと理解しています。

EMS器具には病院用や個人用など様々なものが販売されています。担当のリハビリの先生がお勧めになる器具があるなら、利用されたら良いと考えます。一部の器具では効果が怪しい物もあるようです。 (2016/2/20現在)

回復の見込み
MSで視神経炎再発後3週目、視力0.2まで回復、今後の回復の見込みは?

先日(3週間前)に右視神経炎の診断を受け、パルスをし右視力が0.07から0.2まで改善し中心暗点は消えず?少しは小さくなったのかな?という感じです。 視力はこれ以上良くなることはないのでしょうか? 中心暗点は改善されるのでしょうか?

A: 視力回復が3週間で0.07から0.2であるとのことです。

今後の見込みを予測するためには、
@現在中心暗点があるようですが、中心部以外の回復はよく、元通りになっているのでしょうか?今回の悪化の前の同じ目の視力などの状態はどうであったでしょうか、正常でしたか?、
Aステロイドパルス点滴の開始は何日目に開始し、計何日間点滴を実施したのでしょうか?、
などの情報により予測は影響されます。

@中心暗点以外の回復が良いなら、今後中心暗点も徐々に回復する可能性が高いでしょう。
今回の再発前が正常であったのであれば、今後もある程度の回復が見込める可能性が高いでしょう。
A私であれば、できるだけ早期に計6〜10日間までのパルス点滴を実施し、回復不十分なら早急(2週目まで)に血漿交換を開始します。
3週目までの早い時期に一定の回復があったのですから、回復が現在も続いているのであれば、今後もゆっくりとした回復の持続を期待できます。 6ヵ月から1年間までゆっくりとした視力の改善が続くことが多いと言えます。
(2015/5/3現在)



認知症改善の見込みは?

症状は、物忘れ (数分前のことを忘れ、以前のことは覚えている、今日が何日、何曜日か分らないなど)、 反応が遅い(呼んでいるのに数秒してから返事が来る)、計算が遅くなった。等です。物忘れは改善する可能性はないのでしょうか? 大脳は自己再生されないとのことでしょうか?

A: 最近に悪化したのであれば、物忘れも含めて、改善する可能性があります。 担当医に早く診察していただき、適切な診断と、必要なら治療を開始することが必要です。(2015/5/16現在)     



破壊されたミエリンを修復する薬が開発されることは?

A: 現在、髄鞘を再生させる治療として、MS患者に抗LINGO抗体を投与する治験が北米で実施されつつあります。国内でも髄鞘をMRIで画像化し、定量して追跡する研究、髄鞘再生の研究もおこなわれています。
MSの障害の固定化には神経細胞、神経細胞突起の変性、破壊も大きな要因となっています。神経細胞や突起再生の治療医療の開発を目指し、iPS細胞からの神経細胞への分化、増殖、神経ネットワーク再形成の研究もすすみつつあります。
人体の機能を代行する様々な機械、ロボットの開発も非常に有望です。(2015/7/20現在)



パルス治療で後遺症の急速な改善がありえるか?

19歳の娘のことについての質問です。発病は15歳で、アボネックス治療中。1年程前に片麻痺となり車椅子生活になりました。 しかし今回、小脳に再発し、ステロイドパルスを行ったところ、全く動かなかった手足が少し動く様になり、もう少しで杖歩行可能になりそうなところまで改善しました。 現在は自立歩行。1年程前に片麻痺になった手足が、パルスで改善が見られることがあるでしょうか。 多発性硬化症の後遺症で麻痺が残っているものがパルスで改善することはあるのでしょうか。 主治医は経験がないと言われ、片麻痺は詐病だった可能性もあると言われました。 先生はこのようなご経験ありますでしょうか。よろしくお願い致します。

A: 1年前に片麻痺(身体半分・半身の麻痺)となり、車椅子生活であったが、1年後に小脳に再発があり、ステロイド・パルス点滴治療を契機として急速に改善し、自立歩行が可能となったとのことです。

パルス点滴は炎症を抑え、新たに生じた病巣を縮小させ、回復を早める効果があります。 しかし、1年間固定化して残っていた後遺症と思われる症状、障害を急速に改善させる効果はありません。
従って、もし1年間固定化していた症状の急速な回復があったのであれば、その症状は精神的な原因(心因性とも言う)で持続していたと考えるべきだと考えます。 心因性の症状は、一般に決して稀ではありませんし、MSの本当の症状と心因性症状が重なることも少なくありません。

詐病は本人が意図して症状を作っていたということですが、私の経験では多くは意図的ではなく、自らの弱さ、苦しみから身を守るため、楽になるため、無意識に症状が出ることの方が多いです。

こうした心因性の症状は、経験ある神経内科の医師が詳しく診察をすると、不自然な症状である、身体的な病気で生じる症状とはことなる、理屈に合わない点が見つかり、診断が可能です。動作や睡眠中の動きをビデオで記録して、観察し分析すれば区別がつきます。

娘さんの場合、症状が回復したのですから、祝福してあげて、今後、MSが再発、進行しないように、適切な治療を継続することに力をそそいであげてください。(2015/8/1現在)     



妊娠中に2回再発。回復が望めるでしょうか?

30歳女性, 北海道在住。 初発は2006年。出産後2ヶ月くらいで視神経炎を発症。 発症して以来ベタフェロン注射でしたが、 フィンゴリモド(イムセラ)が発売されてからすぐイムセラを開始し継続しました。 2015年10月妊娠に気付き、イムセラの服用を止めました。
@2015年11月に再発。左足の脱力で入院。 妊娠3ヶ月の為、パルス療法ではなく免疫吸着療法を開始。 8回やる予定でしたが血小板減少と副作用のため4回目で終了。 この時点で症状は悪化。ストレッチャー移動になる程の両足脱力、下半身麻痺。翌月12月で妊娠4ヶ月に入り、すぐパルス療法を開始。3日プラス5日の3クール分のパルス療法をして徐々に回復。 リハビリも開始し歩行器移動が出来るまで回復したので、年明けに退院出来る予定でしたが、
A再度再発。 症状は再度両足脱力。左腕から左手指先にかけての痺れでパルス療法を5日プラス3日の3クール分をやりました。 同時にコパキソンを開始し、リハビリもしながら症状は少しずつ回復。 現在、歩行はなんとか出来ますが、100m程度で足の疲れが出てしまい不自然な歩き方になってしまいます。

A: 貴女の場合、12月の障害のピーク時から2月を経過し、かなりの回復があったようです。重い再発であれば、1,2年目まで回復が継続することが多いです。今後のリハビリを頑張れば、まだまだ回復するでしょう。リハビリ施設外での自主的な訓練を何度も小刻みに反復することが最も重要で、効果があります。頑張ってください。
(2016/2/25現在)



立ち仕事を続けられるでしょうか?

24才、女性、福岡在住。 2012年、感覚麻痺が左半身に生じた経験があり、その年が発病年だろうと主治医から言われています。 今年になって歩行障害が出現し、4/12にMSの診断をうけました。 MRIで脳に病巣が9つ以上あります。病巣は3/24に撮った像より増えていたそうです。脊髄に病巣がありますが、数は聞いていません。 抗アクアポリン抗体は陰性。 現在ステロイドパルス(1000r)療法後、内服で量を減らしつつあります。痺れに対してテグレトールが処方(1日300r)されています。今後、ステロイドを減らしつつフィンゴリモド(ジレニア)を始めていくという話をうけました。 両足のつっぱりがつらかったですが、現在はつっぱる痛みは時折生じる程度になっています。しかし、両足とも痺れは残っており特に足首から下の痺れは朝方など痛みを感じるときもあります。歩くことに支障はなく、時折ふらつきを感じる程度です。
先生にお聞きしたいのが、仕事についてです。 今年新社会人になったばかりで、仕事は医療職で基本立ったまま動き回る仕事です。 職場からは一ヶ月休みをもらうことができ、一ヶ月で筋力をつけたり、痺れに慣れることはできそうですが、フィンゴリモド(ジレニア)開始後も、立ち仕事を続けて、MSの進行、歩行障害が起こらないかが不安で立ったままの業務が少なく休みがとりやすい仕事に変えることも考えています。 主治医に立ち仕事について伺ったのですが、「わからないけど仕事してる人もいるよ」という返答でした。もし、先生が受け持った患者さんで立ち仕事でも行うことができていた方をご存知だったら教えていただきたいです。

A: (1)
先ず重要なことは、診断が確定したら、できるだけ早くMSの再発進行防止治療を開始することです。病巣数も多く、活動性があるようですので、効果の高い治療の開始が急がれます。MS治療薬により今後の再発をしっかりと防止することが何よりも重要ですし、現在の症状の改善の改善程度にも影響があります。

フィンゴリモドは効果が比較的高い薬であり、良い選択であると思いますが、100%の効果に達するのに5,6ヵ月を要します。ナタリズマブ(タイサブリ)は効果が最も強力で、迅速です。貴女は現在後遺症が残るかどうか、仕事を続けられるか否かの重大な分岐点にあります。強力で迅速な治療を一刻も早く開始することが最も重要です。私が貴女の立場であれば、ナタリズマブ治療を開始しますが、現在の先生の下では、難しいかもしれません。

そうした治療をパルス療法と同時に開始することも可能ですし、現在のステロイドの減量が終了するのを待つ必要は全くありません。経口ステロイドは症状改善効果はほとんど期待できません。私は必要ならパルス点滴の追加をします。

(2)
今後どの程度の改善が期待しうるかは難しい質問です。診察しておらず、再発の時期、症状、改善の速度など、情報が不足しています。
最善の治療を続けて、リハビリテーションに力を尽くし、もう少し様子を見る必要があると思います。性急な判断をするべきではないでしょう。
私のMS患者さんの中には、看護師、OT, PTや介護の仕事、その他の通常の仕事を継続している方は多数おられます。無論、後遺症があるため、日中だけの勤務で看護職を続けている方もあります。(2016/3/30現在)

後遺症
歩行障害後遺症への対処

2011年に発症、最初は脱力が主でしたが、そのうちつっぱりが顕著になりました。両足ともに筋力はありますが、足の各関節が曲りにくいです(腿、膝、足首)。 クローヌスが一秒に4回程度の頻度で出ます。抗痙縮薬では少しだけ歩きやすくなります。 歩行障害、特につっぱりへの対処法について、治療でなくても、もし後遺症を改善できる可能性がありましたら、お教えいただけませんでしょうか。

A: 痙性と歩行障害の症状軽減治療(対症療法)について
現在利用可能な治療:
様々な経口の抗痙縮薬がありますが、担当の先生は色々と試みられたのではないかと推測します。
服薬治療で効果が不十分な場合や、副作用で利用しにくい時に、今検討中のボツリヌス注射やバクロフェン髄腔内持続注入は利用可能な有力な治療法です。
簡単ですので、先ず、ボツリヌスを試みるのが普通でしょう。
何れも試みられたら良いと思います。

将来利用開始が期待される方法:
@現在、歩行改善薬ファンプリディンの治験が日本で進行しており、2年後には、広く利用が可能となることが予測されています。髄鞘がはがれて機能が低下した神経線維の働きを改善する薬です。
欧米ではすでに5年ほど前から利用されています。歩行改善の理由は麻痺の改善、痙縮の改善、失調の改善などがあり、痙縮も改善されることがあります。
現在日本では許可されていないが、欧米で利用されている薬には、カンナビノイド (cannabinoid) 、大麻に含まれる化学物質があります。痛みと痙縮に有効と言われていますが、日本での治験の計画は未だありません。
AiPS細胞など、神経再生医療のMSへの応用は、期待は大きいのですが、初期段階で人への利用には時間がかかりそうです。
アメリカでは髄鞘再形成促進薬の初期の治験が進行しつつあります。
髄鞘の再形成で神経線維の電気活動伝達を改善することが期待できますので、麻痺の改善と同時に痙縮、ツッパリの改善も期待し得ます。

髄鞘の再形成と同時に、あるいはそれ以上に重要なのは、切断されたり、変性死滅した神経細胞やその突起の再生です。 神経細胞の再生で難しいのは、その種類が多く部位により種類が異なることと、神経線維のネットワーク、網目が複雑で、個人差もあることです。 そうした難問を乗り越える技術の開発が必要です。(2015/8/1現在)



ふらつきは改善されますか?

1年前に脳幹病巣出現。先日入院していた大学病院で改めてMRI検査をしたところ脳幹の病変は改善していない、と言われました。 これは後遺症で残るだろうと言われました。画像を確認させて頂きましたが前の大学病院での画像と変わっていませんでした。 今でも歩けますが、疲れてくるとふらつきが頻発します。酒に酔ったようなふらつきです。疲れていない時は普通に歩けますが30分も歩き続けるとふらつきが出ます。 これは改善されないのでしょうか?ふらつきと疲れやすさが気になっています。

A: フラツキは脳幹を通る小脳と脊髄を結ぶ経路の神経線維の障害に基づく(小脳性)失調だろうと推察します。
脳幹の病巣出現から1年経過しており、これまでかなりリハビリテーションを行ってきたのであれば、今後の回復余地はそれほど大きくは期待できません。 しかし、今後1年程度の間はもう少し改善の余地がある可能性が考えられます。
運動で症状が増強するのは、疲れと運動(歩行)により体温が上昇することが理由と思われます。 疲労は障害のある神経細胞・繊維の機能低下と、筋力の低下が理由と考えられますが、仕事、生活、リハビリなどの中で、もう少し改善する可能性はあると思います。

しかし、今後あまり改善しない可能性もあり、あまり過大な回復の期待はしないで、現状維持でも可能な仕事と生活を考える必要があると思われます。

欧米で5年前から利用が可能となっており、日本で現在治験が進行中(新規参加は締切)の薬、ファンピリジンは、貴方の歩行をある程度改善する可能性があります。 2年後には国内で承認される可能性が高いと思われます。
(2015/8/30現在)



妊娠中の再発で歩行障害の回復が悪いが、後遺症が残るのでしょうか?

現在妊娠中、もうすぐ8か月目に入ろうとしております。
2015年11月(妊娠3月)、年末(妊娠4月)に再発し、やや回復したが歩行障害がかなり残っています。 今まで(2015.11月以前)にも足への再発は何度かあり、その度にパルス療法のみのリハビリ無しで回復してきたので、現段階でも短い距離しか歩けないことに非常に暗い気持ちになってしまいます。 リハビリ施設でのリハビリは難しく、自主的なリハビリ(階段の昇り降り、廊下歩行、筋トレ)しか出来ない状況です。その日によって持久力が違ったり、疲れやすかったり、歩き方が不安定になったりします。 今後、今の症状は後遺症や歩行障害として残ってしまうのでしょうか?少しても改善するための治療法などはないのでしょうか?

A: MSでは再発を繰り返すと、特に、脊髄や視神経、脳幹などの同じ側に再発を反復すると、次第に回復が悪くなります。再発を防止する有効性の高い治療を受けるこが最も重要です。

貴女の場合、11月、12月に脊髄に再発を繰り返したあと回復が充分でなく、2月以上経過しているわけですが、最初の3月間程度での回復の度合いで、今後の回復の見込みが大よそ予測可能となります。
それまでの回復が悪ければ、完全に元に戻ることは難しいだろうと言えます。診察をしておられる、担当の神経内科、リハビリ科の医師に直接お聞きください。 妊娠中ですので、腹部への圧迫や、転倒のリスクを避ける必要があり、HAL使用は出産まで難しいかもしれません。 (2016/2/30現在)

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