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2016/12/5更新
A: 今までやってきた訓練と筋力アップの運動を、空いた時間に、自分で小刻みに反復することが重要です。
筋力の低下がある中で運動をしますと、残った筋に負担がかかりすぎて、関節や腱の痛みが生じることが有ると思います。
多少の痛みは大丈夫ですが、強い痛みや腫れが生じますと、炎症が有害となります。
そうならないようにするには、小刻みに休息をとり、反復回数を増やすことです。それでも、一日の運動量には限界がありますので、能力に応じて調節が必要です。
貴方の状況に合った運動を、リハ技師の指導にもとずき、リハの時間以外でも自己訓練を繰り返すことです。
MSあるいはNMOにだけの特別なメニューはなく、本人の意欲、努力が大きく影響します。
A: リハビリの効果があるかどうかは、先ず、いつ障害が出現したか、その後リハビリを何ヵ月、どの程度実施したか、全くしていないかが大きく影響します。
症状が急に出現して間もないのであれば、リハビリの効果は大である可能性が高いです。
既に6月を超えているのであれば、かなり回復は難しいが、一定の回復の可能性はあります。
2年経過していれば、効果はほとんど期待できません。しかし、それまでのリハビリがあまりできていなかったなら、一定の効果はありえます。 また症状が重い場合、1年以後でも、現状の機能を維持するためのリハビリの継続が必要です。
もし、ゆっくりとした症状の悪化が年余にわたり継続しており、二次進行型に移行していると担当医から説明を受けているのであれば、改善はかなり難しいと覚悟する必要があります。
リハビリが全くできていなかったのなら、一定の改善が得られることもあります。(2015/8/22現在)
A: ロボットスーツHALを用いたリハビリでの歩行訓練は、最近保険適応となり、普及が始まったばかりです。
これまでは麻痺が強くて歩行訓練が不可能で、筋力アップ訓練しかできなかった方でも、スーツを用いで、歩行の訓練が可能となり、最終的には歩行が可能となった方のビデオ記録が出回っています。
未だ、各地での使用が始まったばかりで、多数例での報告はありません。 私の個人的な経験ではありませんので、詳しいことをお教えすることができない点、申し訳ありません。
麻痺が生じてから時間が経っていないほうが結果が良いのは、リハビリ一般でのルールですので、7月経過していることが、一定の障害となるかもしれません。
ビデオでは、かなり時間の経っている方で、ロボットスーツが効果をあげた経験が紹介されていましたので、良い結果がでるかもしれません。
リハビリ担当の先生がお勧めなら、期待して実施してはいかがでしょうか。(2015/8/24現在)
A: ご質問への返答は大変困難です。
通常のリハビリを実施しても脚力不足で立位を保てないために歩けず、車椅子であった方が、 2年ほど経過してロボットスーツを利用して数か月で、ゆっくりとした歩行が可能となった方のビデオを見たことがあります。
起立をするのに、あとわずかの筋力が不足していたので、短期間で劇的な効果が見られたのかもしれません。
一般論としては、ロボットスーツを利用したリハビリの効果は、開始する時点での障害の種類と程度、 それまでどのようなリハビリをしてきたか、障害が出現してからの経過時間などが決定します。
これらが一人一人異なりますので、担当の先生に質問することが大切でしょう。(2015/9/9現在)
A: HAL(ロボット補助装置)は通常のリハビリでは出来なかった筋群のリハビリを可能とし、リハビリ不足で廃用性萎縮となりかかっていた筋を使用可能なレベルへと鍛え直す意味が有ります。それにより歩行が可能となることもあります。
下肢の痙縮性増強による痙攣やクローヌス様の不随意運動が強くなりつつあるようですが、麻痺から回復過程で痙性を抑制する脊髄の上部神経回路機能(の一部)が遮断されたまま、脊髄下部の運動神経の機能の回復や、筋力の増強が進む結果、痙性が増強することはしばしば観察されます。診察で確認することが必要ですが。
他の可能性としては、脊髄や脳の痙性抑制回路の変性の進行が生じている可能性もあります。他の神経症状増悪の推移で判定します。 (2016/2/10現在)
A: EMSとは Electric Muscle Stimulation(筋電気刺激) という意味で、器具を用い筋肉に電気的な刺激を与え、強制的に他動運動をさせることにより筋を訓練し強化する方法です。
テレビなどのコマーシャルで筋トレ用器具としてご覧になっているものです。
病院のリハビリで運動麻痺回復や筋力維持の補助器具として利用されることもあります。私の知る限りでは、健康保険で認められたものではないと理解しています。
EMS器具には病院用や個人用など様々なものが販売されています。担当のリハビリの先生がお勧めになる器具があるなら、利用されたら良いと考えます。一部の器具では効果が怪しい物もあるようです。
(2016/2/20現在)
A: 視力回復が3週間で0.07から0.2であるとのことです。
今後の見込みを予測するためには、
@現在中心暗点があるようですが、中心部以外の回復はよく、元通りになっているのでしょうか?今回の悪化の前の同じ目の視力などの状態はどうであったでしょうか、正常でしたか?、
Aステロイドパルス点滴の開始は何日目に開始し、計何日間点滴を実施したのでしょうか?、
などの情報により予測は影響されます。
@中心暗点以外の回復が良いなら、今後中心暗点も徐々に回復する可能性が高いでしょう。
今回の再発前が正常であったのであれば、今後もある程度の回復が見込める可能性が高いでしょう。
A私であれば、できるだけ早期に計6〜10日間までのパルス点滴を実施し、回復不十分なら早急(2週目まで)に血漿交換を開始します。
3週目までの早い時期に一定の回復があったのですから、回復が現在も続いているのであれば、今後もゆっくりとした回復の持続を期待できます。 6ヵ月から1年間までゆっくりとした視力の改善が続くことが多いと言えます。
(2015/5/3現在)
A: 最近に悪化したのであれば、物忘れも含めて、改善する可能性があります。 担当医に早く診察していただき、適切な診断と、必要なら治療を開始することが必要です。(2015/5/16現在)
A: 現在、髄鞘を再生させる治療として、MS患者に抗LINGO抗体を投与する治験が北米で実施されつつあります。国内でも髄鞘をMRIで画像化し、定量して追跡する研究、髄鞘再生の研究もおこなわれています。
MSの障害の固定化には神経細胞、神経細胞突起の変性、破壊も大きな要因となっています。神経細胞や突起再生の治療医療の開発を目指し、iPS細胞からの神経細胞への分化、増殖、神経ネットワーク再形成の研究もすすみつつあります。
人体の機能を代行する様々な機械、ロボットの開発も非常に有望です。(2015/7/20現在)
A: 1年前に片麻痺(身体半分・半身の麻痺)となり、車椅子生活であったが、1年後に小脳に再発があり、ステロイド・パルス点滴治療を契機として急速に改善し、自立歩行が可能となったとのことです。
パルス点滴は炎症を抑え、新たに生じた病巣を縮小させ、回復を早める効果があります。 しかし、1年間固定化して残っていた後遺症と思われる症状、障害を急速に改善させる効果はありません。
従って、もし1年間固定化していた症状の急速な回復があったのであれば、その症状は精神的な原因(心因性とも言う)で持続していたと考えるべきだと考えます。
心因性の症状は、一般に決して稀ではありませんし、MSの本当の症状と心因性症状が重なることも少なくありません。
詐病は本人が意図して症状を作っていたということですが、私の経験では多くは意図的ではなく、自らの弱さ、苦しみから身を守るため、楽になるため、無意識に症状が出ることの方が多いです。
こうした心因性の症状は、経験ある神経内科の医師が詳しく診察をすると、不自然な症状である、身体的な病気で生じる症状とはことなる、理屈に合わない点が見つかり、診断が可能です。動作や睡眠中の動きをビデオで記録して、観察し分析すれば区別がつきます。
娘さんの場合、症状が回復したのですから、祝福してあげて、今後、MSが再発、進行しないように、適切な治療を継続することに力をそそいであげてください。(2015/8/1現在)
A: 貴女の場合、12月の障害のピーク時から2月を経過し、かなりの回復があったようです。重い再発であれば、1,2年目まで回復が継続することが多いです。今後のリハビリを頑張れば、まだまだ回復するでしょう。リハビリ施設外での自主的な訓練を何度も小刻みに反復することが最も重要で、効果があります。頑張ってください。
(2016/2/25現在)
A: (1)
先ず重要なことは、診断が確定したら、できるだけ早くMSの再発進行防止治療を開始することです。病巣数も多く、活動性があるようですので、効果の高い治療の開始が急がれます。MS治療薬により今後の再発をしっかりと防止することが何よりも重要ですし、現在の症状の改善の改善程度にも影響があります。
フィンゴリモドは効果が比較的高い薬であり、良い選択であると思いますが、100%の効果に達するのに5,6ヵ月を要します。ナタリズマブ(タイサブリ)は効果が最も強力で、迅速です。貴女は現在後遺症が残るかどうか、仕事を続けられるか否かの重大な分岐点にあります。強力で迅速な治療を一刻も早く開始することが最も重要です。私が貴女の立場であれば、ナタリズマブ治療を開始しますが、現在の先生の下では、難しいかもしれません。
そうした治療をパルス療法と同時に開始することも可能ですし、現在のステロイドの減量が終了するのを待つ必要は全くありません。経口ステロイドは症状改善効果はほとんど期待できません。私は必要ならパルス点滴の追加をします。
(2)
今後どの程度の改善が期待しうるかは難しい質問です。診察しておらず、再発の時期、症状、改善の速度など、情報が不足しています。
最善の治療を続けて、リハビリテーションに力を尽くし、もう少し様子を見る必要があると思います。性急な判断をするべきではないでしょう。
私のMS患者さんの中には、看護師、OT, PTや介護の仕事、その他の通常の仕事を継続している方は多数おられます。無論、後遺症があるため、日中だけの勤務で看護職を続けている方もあります。(2016/3/30現在)
A: 痙性と歩行障害の症状軽減治療(対症療法)について
現在利用可能な治療:
様々な経口の抗痙縮薬がありますが、担当の先生は色々と試みられたのではないかと推測します。
服薬治療で効果が不十分な場合や、副作用で利用しにくい時に、今検討中のボツリヌス注射やバクロフェン髄腔内持続注入は利用可能な有力な治療法です。
簡単ですので、先ず、ボツリヌスを試みるのが普通でしょう。
何れも試みられたら良いと思います。
将来利用開始が期待される方法:
@現在、歩行改善薬ファンプリディンの治験が日本で進行しており、2年後には、広く利用が可能となることが予測されています。髄鞘がはがれて機能が低下した神経線維の働きを改善する薬です。
欧米ではすでに5年ほど前から利用されています。歩行改善の理由は麻痺の改善、痙縮の改善、失調の改善などがあり、痙縮も改善されることがあります。
現在日本では許可されていないが、欧米で利用されている薬には、カンナビノイド (cannabinoid) 、大麻に含まれる化学物質があります。痛みと痙縮に有効と言われていますが、日本での治験の計画は未だありません。
AiPS細胞など、神経再生医療のMSへの応用は、期待は大きいのですが、初期段階で人への利用には時間がかかりそうです。
アメリカでは髄鞘再形成促進薬の初期の治験が進行しつつあります。
髄鞘の再形成で神経線維の電気活動伝達を改善することが期待できますので、麻痺の改善と同時に痙縮、ツッパリの改善も期待し得ます。
髄鞘の再形成と同時に、あるいはそれ以上に重要なのは、切断されたり、変性死滅した神経細胞やその突起の再生です。 神経細胞の再生で難しいのは、その種類が多く部位により種類が異なることと、神経線維のネットワーク、網目が複雑で、個人差もあることです。
そうした難問を乗り越える技術の開発が必要です。(2015/8/1現在)
A: フラツキは脳幹を通る小脳と脊髄を結ぶ経路の神経線維の障害に基づく(小脳性)失調だろうと推察します。
脳幹の病巣出現から1年経過しており、これまでかなりリハビリテーションを行ってきたのであれば、今後の回復余地はそれほど大きくは期待できません。
しかし、今後1年程度の間はもう少し改善の余地がある可能性が考えられます。
運動で症状が増強するのは、疲れと運動(歩行)により体温が上昇することが理由と思われます。 疲労は障害のある神経細胞・繊維の機能低下と、筋力の低下が理由と考えられますが、仕事、生活、リハビリなどの中で、もう少し改善する可能性はあると思います。
しかし、今後あまり改善しない可能性もあり、あまり過大な回復の期待はしないで、現状維持でも可能な仕事と生活を考える必要があると思われます。
欧米で5年前から利用が可能となっており、日本で現在治験が進行中(新規参加は締切)の薬、ファンピリジンは、貴方の歩行をある程度改善する可能性があります。 2年後には国内で承認される可能性が高いと思われます。
(2015/8/30現在)
A: MSでは再発を繰り返すと、特に、脊髄や視神経、脳幹などの同じ側に再発を反復すると、次第に回復が悪くなります。再発を防止する有効性の高い治療を受けるこが最も重要です。
貴女の場合、11月、12月に脊髄に再発を繰り返したあと回復が充分でなく、2月以上経過しているわけですが、最初の3月間程度での回復の度合いで、今後の回復の見込みが大よそ予測可能となります。
それまでの回復が悪ければ、完全に元に戻ることは難しいだろうと言えます。診察をしておられる、担当の神経内科、リハビリ科の医師に直接お聞きください。
妊娠中ですので、腹部への圧迫や、転倒のリスクを避ける必要があり、HAL使用は出産まで難しいかもしれません。 (2016/2/30現在)
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